80 サンドウィッチ ページ32
モーテルは普通のホテルと違って、廊下が吹きっ晒し。
お部屋はそんなに遠くないのに、強風の中、このマットレスを運ぶことは、思った以上に大変だった。
折りたたみ式とは言え、大きなマットレスが風除けになるとおもいきや、とんでもない！
まだグラジオの部屋も通り過ぎないうちに、
風の強さと布団の重さで、私の体はバランスを崩してしまって・・・。
「わっ・・・！！」
このままじゃ、私、お布団セットの下敷きになって、頭打って倒れちゃう・・・！！
た、助けて！！
・・・！！
「グラジオ・・・！」
倒れそうになった私の背中を、彼が腕と体で掴まえてくれた。
まるで彼に、後ろから抱きしめられているみたい・・・！
でも、私の体に寄り掛かるマットレスさえなければロマンチックだった。グラジオとマットレスにサンドウィッチされた、ちょっと間抜けなAでございます。
・・・グラジオ、あのまま受付で夕飯が出来るまで待っているのかを思ったのに、私に付いてきたの？・・・なんてね、グラジオも一度、自分のお部屋に戻りたいだけだよね。
「ごめん・・・！」
慌てて体勢を整えたとき、私の顔は、昨日グラジオに抱き付いてしまったときみたいに、また真っ赤になっていた。
支えてくれていた彼との距離が、近過ぎて。
「どの部屋だ。」
「えっ？」
「そのマットレス、どこまで運ぶ。」
「えっと、801号室。」
グラジオが、私一人で運んでいたマットレスをいきなり掴んだ。
「部屋の前まで、手を貸す。」
「いいよ、私の仕事なんだし！」
「オマエが無茶するからだ。この重さ・・・強風の中、女一人で抱えるような物ではない。」
真面目な顔のグラジオは、私の手からマットレスを強奪。強引なのに優しい。
「・・・ありがとう・・・。」
ますます惚れちゃうよ。
幽霊騒動のときもそうだった。困ったら側に居てくれるし、私の情けない姿を見下したりもしないし、やっぱり細身なのに力持ちだし。
全部が格好良くて、大好き。
仕事中ではあるけれど・・・必要なときにいつも助け合える関係、か。それも良いな。おばさんが知ったら怒るかな？
実は、私たちの関係を何も知らないと思っていたおばさんは、受付の窓から、助け合う私たちをそっと見守っていたの。全く気が付かなかった。
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カーター(プロフ) - 紅月さん» 続編のお祝い、応援ありがとうございます！いえもう、沢山の方に読んでいただけて、私も本当に恵まれています！今後も楽しく、執筆更新頑張ります！ (2017年2月14日 23時) (
レス) id: 4077529587 (このIDを非表示/違反報告)
紅月(プロフ) - もっと評価されるべき小説だ...((続編おめでとうございます!)) (2017年2月14日 22時) (レス) id: db4044f600 (このIDを非表示/違反報告)
カーター(プロフ) - かあかさん» ありがとうございますー！ (2017年2月12日 0時) (レス) id: 4077529587 (このIDを非表示/違反報告)
かあか - 楽しみ！ (2017年2月12日 0時) (携帯から) (レス) id: 56d5161cd7 (このIDを非表示/違反報告)
カーター(プロフ) - ななさん» ご感想ありがとうございます！実際『仲良し』になると、グラジオどうなるんでしょうね！？（笑）今回は捏造臭さ覚悟で、仲良い人にしか見せなさそうな一面を描いてみました！続編移行後も、是非お楽しみください！ (2017年2月7日 22時) (レス) id: 4077529587 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：カーター | 作成日時：2017年1月14日 18時
