67 聞こえた声 ページ19
「ガラガラ、ご苦労様。」
巡回をしてみて、自分が仕事に集中していないことがよく分かった。
こんな状態で夜勤はこなせない。
グラジオのことは心配でたまらないけど・・・やっぱりおばさんの言う通りに、この後は大人しく休むことにしよう。
最後にキーボックスを見た。鍵をお預かりしている客室のナンバーは803のみ。グラジオは、まだ戻って来ない。
シャワーを浴びて、仮眠室に横たわる。
でも、眠れない。
あっという間に日付が変わって。でも待っているのは、とてつもなく長い。
・・・。
・・・・・・ああ、もうダメだ。
おばさんと視線を合わせて、眠れないから夜風に当たる、という風に、モーテルの裏口から、外に出た。
こんな夜中におばさんに黙って、敷地内から出るわけにはいかない。星を見て、波の音を聞いて、お月様に彼の無事を祈る。
裏口から受付入り口の前に回ってきて、キョロキョロした後、手慰み。
「・・・A。」
「！」
顔を上げたら、やっと聞きたかった声が、8番道路の方から聞こえてきた。
「グラジオ・・・！！」
ああ・・・良かった・・・！
グラジオが私の前に、戻って来た・・・！
「まだ起きてたのか。」
「だって、心配だったんだもん！いくら待っても帰って来ないから。怪我してない？ヌルたちも、大丈夫？」
グラジオ、私がこんなに心配しているとは思っていなかったみたい。
彼の表情も、スカル団に何かされて落ち込んでいる、という変化は無い。
「ああ・・・悪かったな。だが、心配ないと言った筈だ・・・。」
心配するわよ、そんなこと言われたって！
でも、何とも無いのね・・・良かった・・・本当に良かった・・・おかえり、グラジオ・・・。
「・・・。」
・・・ハッ！！！
やだ私、何してるの・・・。
安心して、つい、抱き付いてしまった・・・。
「ご、ゴメン・・・！！」
グラジオとは友達同士なのに・・・しかもモーテルの前でこんなこと！！
我に返って、すぐに離れた。
・・・でも、グラジオ・・・今、私に手を回しかけていなかった・・・？
つい、モーテルの廊下や8番道路沿いに人がいないか、見てしまう。運良く、誰も見ていない。
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カーター(プロフ) - 紅月さん» 続編のお祝い、応援ありがとうございます！いえもう、沢山の方に読んでいただけて、私も本当に恵まれています！今後も楽しく、執筆更新頑張ります！ (2017年2月14日 23時) (
レス) id: 4077529587 (このIDを非表示/違反報告)
紅月(プロフ) - もっと評価されるべき小説だ...((続編おめでとうございます!)) (2017年2月14日 22時) (レス) id: db4044f600 (このIDを非表示/違反報告)
カーター(プロフ) - かあかさん» ありがとうございますー！ (2017年2月12日 0時) (レス) id: 4077529587 (このIDを非表示/違反報告)
かあか - 楽しみ！ (2017年2月12日 0時) (携帯から) (レス) id: 56d5161cd7 (このIDを非表示/違反報告)
カーター(プロフ) - ななさん» ご感想ありがとうございます！実際『仲良し』になると、グラジオどうなるんでしょうね！？（笑）今回は捏造臭さ覚悟で、仲良い人にしか見せなさそうな一面を描いてみました！続編移行後も、是非お楽しみください！ (2017年2月7日 22時) (レス) id: 4077529587 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：カーター | 作成日時：2017年1月14日 18時
