71 鉢合わせ ページ21
Aが自力で立てるのを確認し、グラジオは自分の側に居るヌルへ呟いた。
「オマエの仲間を助ける。オマエも、力を貸してくれ、ヌル。」
グラジオに応えるようにヌルがひと鳴きしたそのとき。
ラボの扉が開いた。
「グラジオ様、代表のご命令です。直ちに私共にタイプ：ヌルをお預けください。」
「・・・！」
顔面を覆い尽くす保護マスクを付けた三人の研究員が、ラボへ押し入ってくる。
「嫌・・・！！」
Aはヌルの体を抱きしめながら怯えた。
じりじりとグラジオたちに詰め寄り、逃げ場を無くすように、研究員たちは管理室の前で立ち塞がる。
グラジオは、Aとヌルを背面で庇い、モンスターボールを手に、戦う姿勢を見せた。
「代表の命令でも、聞けないな。」
自分の手持ちにはあと二匹・・・ゴルバットとニューラが居る。
負ける気など無かったが、グラジオにとっても有利な状況とは言い難い。
マスクを付けた研究員は、これまで幾つもの実験に携わり、地下一階に居た職員たちよりも遥かにポケモンのことを熟知している。バトルも強い筈だ。
だが、そんなことを理由に怖気付いてはいられなかった。こんなことは終わらせると、決めたばかりなのだから。
研究員たちも、言うことを聞かないグラジオを黙らせようと、モンスターボールを出そうと構えを見せた。そのとき、
「グラジオー！隣のラボ、調べ終わったよー・・・わー！まただ！」
立ちはだかる研究員たちの後ろで、ラボのドアが開き、ハウの声が響いた。
タイミングが良いのか悪いのか、偶然の鉢合わせだ。
研究員たちは、ラボへ入って来たヨウとハウの方を振り返る。
「邪魔が入りましたね。」
先にヨウとハウを片付けようと、研究員たちがそのまま、彼らに向かいポケモンを繰り出した。
「ハウ・・・やるしかないよ。奥にグラジオが居る。」
ヨウが、グラジオたちの危機を察し、助けようとモンスターボールを手に取った。そして、ハウも頷きそれに続く。
「あの人たち・・・。」
Aは顔を上げて、研究員の白衣の壁の間から、戦いを始める少年たちを見つめた。
グラジオはAに寄り添って、安心させるように言う。
「ヨウとハウだ。A・・・今はオレも、一人ではない。仲良し、ではないが・・・あいつらが、力を貸してくれる。」
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カーター(プロフ) - 物部さん» 初めまして！ご感想ありがとうございます！戦闘シーンの文を褒めていただけるのは初めてでとても嬉しいです！文字だけでどれだけバトルの臨場感を表せるか、書き手としてもバトルしています！難しい場面ですが、続きの更新も頑張ります！ (2017年2月10日 23時) (
レス) id: 4077529587 (このIDを非表示/違反報告)
物部(プロフ) - 初めまして。戦闘シーンも綺麗な文ですね。続き楽しみにしています！ (2017年2月10日 23時) (レス) id: fcc84377d6 (このIDを非表示/違反報告)
カーター(プロフ) - 真季さん» ご感想ありがとうございます！あんな感じで良かったでしょうか、自分では考えていない展開だったので、小説の世界を広げられるアイディアをいただけてとても嬉しかったです！続きも先程UPしましたので是非お楽しみください！モーテルの方も更新頑張ります！ (2017年2月6日 23時) (レス) id: 4077529587 (このIDを非表示/違反報告)
真季 - ピジョンの進化シーンいれて頂けて嬉しかったです！ありがとうございます。カーターさんの作品、モーテルパラダイスも楽しく読ませて頂いています！最新頑張って下さい(*^^*) (2017年2月6日 21時) (レス) id: b95c01deac (このIDを非表示/違反報告)
カーター(プロフ) - 真季さん» 今後の展開のリクエストにつきまして、実は次回から最終話直前までの下書きがまだゼロなので←！ 実現可能かこの場での明言は避けますが、勿論！試作検討してみます！万一ご希望に添えなかったらごめんなさい…！貴重なご意見ありがとうございます！ (2017年1月24日 22時) (レス) id: 4077529587 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：カーター | 作成日時：2017年1月13日 17時
