46 怒りの矛先 ページ46
最悪の事態寸前で止まっていたはずのことは、既に最悪の事態と化した。
それも、事件が起きたのはつい先程ではなく、数時間前だと言うではないか。
Aがスカル団に捕らわれたときには既に、リーリエはエーテルパラダイスへ向かっていたことになる。
自分とリーリエの為に船へ乗ったAが、このことを知ればどれだけショックを受けるだろうか。
立ち聞きのまま引き返すのは耐え難い。
リーリエもAも、たった一人で抵抗出来なかったわけではない。傍から見れば可弱い女二人、大切な人やポケモンを守りたくて勇敢に行動した。
男三人、この有り様。何という失態なのだろうか。
「・・・コスモッグと一緒に居たのが、まさかリーリエだったとは。」
グラジオは、エーテルハウスのドアを乱暴に開けた。知らなかったかのような言葉を並べ、ヨウとハウを睨んだ。
「グラジオ!」
ヨウとハウは、ドアを開けたグラジオへ視線を移すと、意外そうな顔をした。
それはそうだろう。グラジオとリーリエが兄妹関係だということは、彼らはまだ知らないのだから。
「わー!!リーリエ知ってるのー?」
流石にこの状況に笑顔は無いものの、ハウの大きな声が、頼れる仲間でも見つけたかのように響く。
声を荒げるつもりなど無かったが、グラジオの我慢は途端に切れた。
「オマエらが頼りないから、コスモッグも!リーリエも!」
頼りないと人に言いながら、
Aを守れなかった自分もその頼りなき一人だと、グラジオ自身よく分かっていた。
リーリエと接触の機会がありながら、肝心なときに役に立たない二人も、
Aを捕らえたスカル団の情報を鵜呑みにし、ここまで来た自分も。
何もかも腹立たしくて、怒りが収まらなかった。
「オレの怒り、ぶちまける!」
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カーター(プロフ) - ココアンさん» 更新を楽しみにしてもらえて嬉しいてす!執筆も楽しみながら頑張ります!応援ありがとう! (2017年1月9日 23時) (レス) id: 4077529587 (このIDを非表示/違反報告)
ココアン(プロフ) - 続きができるの楽しみです!応援しています!頑張ってください!! (2017年1月9日 23時) (レス) id: 73f1966ab0 (このIDを非表示/違反報告)
カーター(プロフ) - るんさん» 気に入ってもらえて嬉しいです!執筆頑張ります☆コメントありがとう! (2017年1月4日 22時) (レス) id: 4077529587 (このIDを非表示/違反報告)
るん - この小説大好き!! 続き書くの頑張ってね!! (2017年1月4日 19時) (レス) id: 7b07b0d042 (このIDを非表示/違反報告)
カーター(プロフ) - ななさん» 私も続きを完成させるためウズウズしてます!またハラハラする展開ですが、今後をお楽しみに!また読んでくれてありがとう! (2017年1月4日 8時) (レス) id: 4077529587 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:カーター | 作成日時:2016年12月6日 22時