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37 儚い希望 ページ37

少しの間、と言いながら、ついつい長い時間、身を寄せ合って星を眺めた。


「恋人になれたのに・・・すぐ遠距離恋愛になっちゃうんだね、私たち・・・。」

カントーとアローラ・・・未だ噂でしか聞かないイッシュ地方やカロス地方などに比べれば、近い距離にも感じるが、それでも地方を隔てる海は広いものだ。

「もう帰る日の心配をしているのか。」

付き合って早速寂しい気持ちになるのを防ぎたかったが、グラジオも心内で思うのは同じことだ。

日に日にAを引き止めたくなる思いが強くなる。恐らく明日になればまた更に。

「帰りたく無くなったか。」

Aは正直に頷いて、少しだけ希望の見えそうな話をしてみせた。

「カントーでママが待っているから・・・帰りたい理由があるとしたらそれくらい。でも、ママも言ってたよ。アローラに戻って来たいって。アローラはパパとの楽しい思い出が沢山詰まった場所だから・・・って。」


グラジオはそれを聞きながら、二年前に、家を出たときのことを思い出していた。

このままヌルを連れて、遠くへ行こうと思ったとき・・・ふと、カントーに行ってしまったAの顔が頭に浮かんだこと。


カントーへ行くのも悪くないな、どうだ?ヌル・・・。


ヌルへそう語ったときも、似たような星空だった。

その後、スカル団に雇われてからは・・・そんなこともいつの間にか、考えなくなってしまったのだが。

あのときカントーへ行っていたら、もっと早くAを見つけられたのだろうか。その地方で、今より幸せな暮らしをしていただろうか。

そう思わなくもない。


Aが帰りの船に乗るときは、オレも一緒に付いて行く・・・。


つい、口走ってしまいそうだ。


明日、母の指示で追われているであろうコスモッグを連れたリーリエと合流できれば、本当にその言葉を言ってしまうかも知れない。

皆でカントーへ行けば、自分とAが離れずに済み、コスモッグをアローラから遠ざけ、妹を守ることにもなる。


しかし、

残された母上は・・・。


あんな人でも親だ。


どうしても、グラジオの脳裏に最後に出てきてしまうのは、母の存在だった。

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設定タグ:ポケモンSM , グラジオ , 夢小説   
作品ジャンル:アニメ
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カーター(プロフ) - ココアンさん» 更新を楽しみにしてもらえて嬉しいてす!執筆も楽しみながら頑張ります!応援ありがとう! (2017年1月9日 23時) (レス) id: 4077529587 (このIDを非表示/違反報告)
ココアン(プロフ) - 続きができるの楽しみです!応援しています!頑張ってください!! (2017年1月9日 23時) (レス) id: 73f1966ab0 (このIDを非表示/違反報告)
カーター(プロフ) - るんさん» 気に入ってもらえて嬉しいです!執筆頑張ります☆コメントありがとう! (2017年1月4日 22時) (レス) id: 4077529587 (このIDを非表示/違反報告)
るん - この小説大好き!! 続き書くの頑張ってね!! (2017年1月4日 19時) (レス) id: 7b07b0d042 (このIDを非表示/違反報告)
カーター(プロフ) - ななさん» 私も続きを完成させるためウズウズしてます!またハラハラする展開ですが、今後をお楽しみに!また読んでくれてありがとう! (2017年1月4日 8時) (レス) id: 4077529587 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:カーター | 作成日時:2016年12月6日 22時

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