30 静寂 ページ30
グラジオがモーテルへ戻ってきたとき、部屋は静かだった。
「A・・・。」
消灯している。もう寝てしまったのか。今日はあれだけのことがあったから、それも仕方が無い。
そう思いながら、グラジオは、鏡台の上に置いてある、小さな便箋に目を向けた。
「・・・書いたのか・・・。」
暗くとも、その紙には確かに文字が記してあるのが分かる。
やはり、今回のことはとても口に出せない、書かなければならないほど、辛い内容だったのだ。
Aを起こさないように、鏡台の弱い光だけを灯し、
グラジオは書かれていた内容を読んだ。
グラジオへ
あのときルザミーネさんに言われたこと、書きかけたけれど、やっぱり止めました。
痛みを分かち合うよりも、私の思いを伝えたいから。
私はずっとこの場所に居られるわけではないけれど、
グラジオが何かで辛い思いをしたら、貴方のことを大好きな人が、いつも想っていることを忘れないで。
どこへ居ても、何があっても、それは変わらないよ。
慰めてくれてありがとう。いつも助けてくれてありがとう。
アローラへ来てよかった。出逢えてよかったよ。
大好きだよ。
A
「・・・。」
ありがとうも、大好きも、逢えてよかったという言葉も、
平気で、言葉に出来そうなものなのに。
オマエのことを、妹分以上の存在だと意識しかけているオレに、
こんなことを、改まって書き残して・・・。
何故、こんなことをする。
何故、居なくなる。
部屋が、静かすぎる。
どこへ行ったんだ。
「A・・・!!」
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カーター(プロフ) - ココアンさん» 更新を楽しみにしてもらえて嬉しいてす!執筆も楽しみながら頑張ります!応援ありがとう! (2017年1月9日 23時) (レス) id: 4077529587 (このIDを非表示/違反報告)
ココアン(プロフ) - 続きができるの楽しみです!応援しています!頑張ってください!! (2017年1月9日 23時) (レス) id: 73f1966ab0 (このIDを非表示/違反報告)
カーター(プロフ) - るんさん» 気に入ってもらえて嬉しいです!執筆頑張ります☆コメントありがとう! (2017年1月4日 22時) (レス) id: 4077529587 (このIDを非表示/違反報告)
るん - この小説大好き!! 続き書くの頑張ってね!! (2017年1月4日 19時) (レス) id: 7b07b0d042 (このIDを非表示/違反報告)
カーター(プロフ) - ななさん» 私も続きを完成させるためウズウズしてます!またハラハラする展開ですが、今後をお楽しみに!また読んでくれてありがとう! (2017年1月4日 8時) (レス) id: 4077529587 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:カーター | 作成日時:2016年12月6日 22時