13 隠してきたこと ページ13
「いつまでこっちに居られるんだ。」
「今日を入れて、最長であと四日。ママは、久しぶりだし、グラジオたちを誘ってゆっくり島中旅してきなさいって言ってくれたんだけどね。」
「四日・・・か。」
最低限の用事を済ませれば、それより早く帰ることも可能だが、逆に四日を超えることはできないという。
四日間降り続けるなんてことは滅多に無い。どこかでAはあの場所へ行くことになるだろう。だが、今日はしばらく無理だ。
「・・・。」
何がAを引き止めているのか。
四日間、ずっと雨を降らせてほしい気分になるのは何故か。
「A、オマエ・・・代表に会う気なんだろ。」
「うん、勿論。」
Aは今の代表を何も知らない。
父が消え何かに偏ってしまった姿、ヌルが生まれた理由に隠れる野望、
逃げ出したあの日のこと。
出来てしまった親子間の溝の深さ、その理由も。
笑って話すようなことを言いたい。
この天気のように、部屋の中にまで雨を降らせたくない。
「オレのことは、話さない方が良い。リーリエにも。」
しかし、彼女が寂しそうな顔をすることを分かっていても、
何も話さず、行かせるわけにはいかなかった。
「・・・オレは、母のやることに耐えられず、ヌルを連れて逃げ出したんだ。母はオレを憎んでいる。オレも、母を許していない。」
「・・・えっ。」
分かってくれるだろうか、Aだけは味方で居てくれるだろうか。
「母の操り人形だった、ラボで作られたヌルもオレも・・・。」
思った通り、成長を見せていたAは昔と変わらず泣き虫で、
他人事であっても、詳しく話す毎に、目を潤ませる。
「・・・だから決めた、ヌルと遠くへ行くとな・・・。」
涙を見ながら、泣き止ませないのは初めてだ。
「オレは・・・自分の意志で生きたい。あの場所に、戻る気は無い。」
隠したかったことを、分かってほしくて曝け出した。
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カーター(プロフ) - ココアンさん» 更新を楽しみにしてもらえて嬉しいてす!執筆も楽しみながら頑張ります!応援ありがとう! (2017年1月9日 23時) (レス) id: 4077529587 (このIDを非表示/違反報告)
ココアン(プロフ) - 続きができるの楽しみです!応援しています!頑張ってください!! (2017年1月9日 23時) (レス) id: 73f1966ab0 (このIDを非表示/違反報告)
カーター(プロフ) - るんさん» 気に入ってもらえて嬉しいです!執筆頑張ります☆コメントありがとう! (2017年1月4日 22時) (レス) id: 4077529587 (このIDを非表示/違反報告)
るん - この小説大好き!! 続き書くの頑張ってね!! (2017年1月4日 19時) (レス) id: 7b07b0d042 (このIDを非表示/違反報告)
カーター(プロフ) - ななさん» 私も続きを完成させるためウズウズしてます!またハラハラする展開ですが、今後をお楽しみに!また読んでくれてありがとう! (2017年1月4日 8時) (レス) id: 4077529587 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:カーター | 作成日時:2016年12月6日 22時