Last Lover【ブラコン】 AFTER STORY

祝福の前に【椿】 ページ20

結婚式まで、あと20分

side Tubaki

椿「いよいよ…だな」

あと数十分で結婚式が始まる

オレの半身であり、弟であり
オレの一番の理解者である
オレの大切な双子の弟が

オレが一生をかけて幸せに
してやりたかった
オレの大好きで大切な女の子すみれと

結婚する

椿「…結局、
　 気持ちを伝えられなかったな」

嬉しい半面
悔しさや痛み、悲しみが
オレの心の中にあった

椿「……オレって、やな男だな
　 大切な人の結婚を
　 祝ってやれないなんて…」

オレは、拳を強く握った

？「つっくん！」

椿「………すみれ？
　 どうしたんだよ…
　 もうすぐ、式がはじまるぞ？」

貴「エヘへ…
　 梓がつっくんのことを
　 探してたから(*´`*)」

椿「梓が？ありがとうな〜♪
呼びに来てくれて！
　 はい！ご褒美のぎゅ〜☆」

すみれのウェディングドレス姿が
凄く綺麗で
オレは思わず泣きそうになった

貴「つっくん！くるしいよ〜」

このまま、君を連れ去ってしまえたら
どんなに幸せだろうか…

オレは強く抱き締める

貴「…つっくん？」

椿「…すみれ、オレさ…」

すみれの瞳にはオレが映っている

貴「つっくん？どうしたの？」

『好きだよ』って言いたい
でも、言ってはダメなんだ

椿「なーんでもない☆
よし！
　 梓のところに行こうっと！」

オレはすみれから体を離し
急いでその場から去った






空を見上げると綺麗な青空だった

椿「………綺麗…だな
　 梓の好きな色だ…」

オレの目から涙がこぼれた

椿「……好き…だった
　 今でも、大好きだ」

オレは、唇を噛み締めて
涙を拭った

椿「好きだから…
幸せになれよな…」

オレは、青空に向かって微笑んだ

【願わくば、君に幸せを
　君に彼の愛が降り注ぎますように】

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