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『117話ですよ』 ページ3

いのじんside




“私がいのじんのことを好きだって言ったら、いのじんは私を突き返す?”


今、目の前でオボロが言ったことに目を見開く。

オボロが僕を好き……?
何かの間違いじゃなくて?

ポカーンという効果音が似合うであろう僕の今の顔を見たオボロははにかんで、


オボロ『ごめんね。急に言われても困るよね』


と言った。

それも、涙を堪えているような声色で。
そして静寂に耐えられなくなったのか、オボロは前を向いて歩き出した。

―――――――違う。泣かせたい訳じゃない。
ただ、 “僕もだよ” って、そう言えばいいだけなのにオボロが泣いた。僕が泣かせた。
その事実が衝撃的で声が出ない。

オボロは、そんな人を傷付ける嘘をつけるほど器用な人間じゃない。

目を擦りながら歩いていくオボロは儚く見えた。
このまま置いておけば消えてしまいそうな、そう思わせるほどに。


いのじん「……オボロ…っ!」


肩を掴んでこっちを向かせようと力を入れると、


オボロ『やめてよ!』


という言葉と同時に手に電流が走った。

でも、離す訳にはいかないとぎゅっとさらに力を込めるとオボロは目を見開いた。


オボロ『いのじん、手……っ!』

いのじん「僕のことは今は置いといて」


大丈夫だから、と笑いかけると、オボロは泣いて歪んでいた顔をさらに歪ませて抱きついてきた。


オボロ『ごめんね……ごめん。…本当に……ごめんね…』

いのじん「大丈夫。謝るのは僕の方なんだから」


オボロの大きな瞳から溢れ落ちる涙を指で掬いながら言うと、オボロは何で?と言いそうな表情を向けてきた。


いのじん「さっき、すぐに答えられなくてごめん」


ちょっとびっくりしてたんだ、と小さく笑えば、そっか。と自嘲気味に笑った。

……あぁ。何か勘違いしてるな、オボロは。
きっと断られるとでも思ってるんだろう。


オボロ『ぅわっ……!?いのじん…!!?』


ぎゅっと抱き締めると、恥ずかしいのか抵抗しようと腕を使って胸の部分を押してくるが力が入っていないためそんなに痛くない。


いのじん「ねぇオボロ。僕を好きになったのっていつから?」

オボロ『え?んっと………結構前からだったんだろうけど、気付いたのは…最近かな?』


そっか。


いのじん「じゃ、僕の方が先に好きだったって訳だ」

オボロ『え?』


驚くオボロの額にキスを落として笑うと、オボロは顔を真っ赤にした。

流石にこれで勘違いはしないかな?







ボルト「118話だってばさ!」→←ありがとうございます(〃ω〃)



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儚奈(プロフ) - 十六夜さん» お久しぶりです! 今度は想像で、全員が上忍になった後などを書いてみようかな、と思っています! 更新が遅くなる一方で、二月になんてほとんど出来ないと思いますが、今後も読んで頂けると嬉しいです……(^_^;) (2018年12月23日 20時) (レス) id: 941560be5a (このIDを非表示/違反報告)
十六夜 - 儚奈さん» お久しぶりです久し振り更新で嬉しいです!輪廻祭編私も好きで続きとかあったら楽しみにしています。 (2018年12月23日 20時) (レス) id: 3d7672005c (このIDを非表示/違反報告)
あほうどり - いえいえ!わざわざありがとうございます! (2018年11月20日 17時) (レス) id: 93f364f154 (このIDを非表示/違反報告)
儚奈(プロフ) - あほうどりさん» 判って頂けて嬉しいです!これからは特徴などで通じるように工夫しますね(^ ^;) (2018年11月20日 17時) (レス) id: 941560be5a (このIDを非表示/違反報告)
あほうどり - ああ〜あのこか! (2018年11月20日 16時) (レス) id: 93f364f154 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:儚奈 | 作成日時:2018年2月6日 21時

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