ボルトの双子の妹は恋を知る 【BORUTO】

サラダ「５５話」 ページ10

Aside




隣を見ると、思った通りボルトとサラダで、お互い被ったことがそれほど嫌だったのか、睨み合いながらもおばちゃんにちゃんと欲しいものを言っている。

私はフルーツサンドを渡されてお金を渡す。

後ろから肩を叩かれたので振り返ると、買えた？と聞いてくるいのじんがいた。


A『うん。……シカダイといのじんは？』

いのじん「僕らは今から」

シカダイ「俺らは別に拘りとかねーからそんな急がなくてもいいんだけどな」

A『ボルトは拘り強いからね〜…』


ボルトとサラダの方を見ると、


ボルト「俺は焼そばパンの販売日には必ず買いに来るんだってばさ」

サラダ「知ってるよ。アンタいつも焼そばパンの匂いさせてるもん」

ボルト「だったらこの焼そばパンは「私が買うの」はぁ！？」


なんでパン一つでそんなに喧嘩するの？
と首を傾げてガラスケースの中を見ると、パンが残り一つしかなかった。

……あれ？いつもはもっとあるのに………。


A『あの、なんで今日は焼そばパンがあと一つしかないんですか？』

いのじん「確かに、いつもならもっと余ってるのにね」


そう言うとおばちゃんは笑いながら、


「ぽっちゃりした子が沢山買っていったからねぇ」


と答えた。

ぽっちゃり？沢山？
デンキと顔を見合わせて、ぽっちゃりって………と呟いたところ、サラダ〜、まだ〜？と何かを頬張って話したような声が聞こえた。


A『やっぱり……チョウチョウが買い占めてたんだね』

チョウチョウ「ん？まぁね」


私と話しながらでも何かを頬張るって……そんなにお腹減ってるんだね………。


いのじん「だったらコイツに貰えばいいんじゃない？」

A『お願いチョウチョウ、一つ貰えないかな……？』

チョウチョウ「Aには悪いけど、これくらい食べないとあちしらしさが保てないのよね〜」

いのじん「燃費の悪いヤツ」


やっぱり分けては貰えないね〜……。

どうすれば穏便に終わるだろう、と考えていると、こっちに来ていたボルトがあー！と叫んで走っていった。


ボルト「おい、待てよ！」

サラダ「早いもん勝ちでしょ」

ボルト「だったら俺にもその権利はあるってばさ！」

サラダ「男だったら女の子に譲るでしょフツー」

ボルト「フツーの女の子だったらな」

サラダ「どういう意味よ！」


あ……また始まった………。

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