ボルトの双子の妹は恋を知る 【BORUTO】

サイ「７３話だよ」 ページ29

Aside




さっきの男の子の顔が頭から離れずアカデミーまで歩くと、


A『ほ、ほんとに青空教室だ……』


昨日校舎を壊したから当然と言えば当然なんだけど……。

私の中ではもう口寄せの二人が口を押さえて笑ってるし……。
あ、どうしてか分からないけど、認めた相手にはそうやって会話とかが出来るようにしてるみたいです。
お父さんの中にいる九喇嘛と良く似た感じって説明されたけど…。


天声〈そういえば、さっきの色白のガキ、何か感じたことのある雰囲気だったんだよな〉

不知火〈天声。言葉遣いが荒いですよ〉

《まぁまぁ。……で、感じたことのある雰囲気って…？》

天声〈三代目の治めてたころの木ノ葉で、なーんかあんなヤツがいたんだよ。
ま、思い出せねーんなら大したヤツじゃねーってことだな〉

不知火〈ほう……？〉


思い出せないと無理矢理に話を切った天声に、意味ありげな声を向ける不知火。
…不知火は何か知ってるのかな？

二人に聞こえない程度の小声を心の中で呟くと、A、と名前を呼ばれて我に帰る。


A『あ、うん…！って……いのじん？』

いのじん「そ。座る場所無いなら隣来る？いつも誘ってばっかりだけど」


そう言って眉をハの字にするいのじん。
それを見て一瞬心拍数が上がった気がした。
トクンって、不規則な感じの。

それと、誘われただけなのに、どうしてか心がとても温かい。


A『うん。いつもありがとう』


笑って座ると、いのじんも微笑んでくれた。

そして、また心拍数が上がって、今度は身体全体を一気に血が駆け巡る。
……熱い…！
なんだか色々と熱い！

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