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御福side
『あっ……っぅ、痛…』
目が覚めたのは、日が傾き始めた頃。
酷く頭痛のする頭を左手で押さえてゆっくりと身体を持ち上げると、起きたか、と枕元で富醂を食べている鐡腸さんが座っていた。
……何故富醂?
疑問に思いながらも顔に出すことなく苦笑して起き上がると、富醂を傍らに置く。
……富醂は必要なのか。
『えっと……何で鐡腸さんが?』
「条野の代わりだ」
喧嘩でもしたのか?そう鐡腸さんが首を傾げて聞いてくるが、一切心当たりがない。
然し、何故条野さんの代わり?
来なくても良いのではないだろうか。
何より。
『条野さんは、関係ないと思いますよ』
私が条野さんの言葉に勝手に傷付いただけだから。
でも、謝りたかったからどちらかと云えば来て欲しかった。何より、あの人の傍が一番安心するから。
居心地が悪いまま、あんな風に怒らせたままだなんて嫌だ。
『……条野さんって、どこにいます?』
取り敢えず、会うことから始めないと。
が、一週間会おうとしても、条野さんの姿を見ることは一向に無い。
これは明らかに避けられています。
確かに、あの人なら避けようとすれば心音や足音を聞いて私一人くらい避けることは余裕でやってのけるでしょう。
……そんなに四感を駆使して逃げられるのは結構心に来るんですが……。
会議があるものの、目も合わせず、早々と終われば立ち去ってしまうので話すタイミングが一切無い。
これでは謝るものも謝れない。
『どうしたらいいですかねぇ、千尋さん』
「私を訪ねて来るなんてよっぽどだなぁ」
快活に笑う千尋さんに、笑い事じゃないんですよぉと机に突っ伏せば、悪い悪いと頭を乱暴に撫でられる。
久々の休暇を貰い、朝から退屈で仕方ないと言っていた千尋さんのお店にやって来た私。
条野さんとの一件を説明すると、どっちもどっちだろうと呆れたように返された。貴女、私とそんなに歳は変わりませんよね?
『だって、謝れないじゃないですか!』
「そうは言われても……まず、何を謝るのか決めてるのかい?それがわかってなかったら相手も困るさ」
確かに言われてみればそうだ。
然し……。
『謝る以外に方法が思いつかないんです……』
「頭良いのに莫迦だねぇ」
そう言ったと思えば、また大きな声で笑った。
この人は本当に人生を謳歌している。
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MARU(プロフ) - 条野さん推しなので、すごくこの作品好きです!更新楽しみにしています! (2021年8月21日 22時) (レス) id: bd5ad6c911 (このIDを非表示/違反報告)
むつ(プロフ) - どうか皆様に伝わってほしいと思います。とある事情により、アカウントが変更になりました。現在、このアカウントが現在の私、儚奈です。ホームページを作りましたので、そちらをご覧ください。申し訳ありません、 (2020年3月6日 14時) (レス) id: 474b6fc94d (このIDを非表示/違反報告)
儚奈(プロフ) - もっぴい!さん» ありがとうございます! リクエスト、遅くなってすみません……(--;) (2019年11月11日 7時) (レス) id: 474b6fc94d (このIDを非表示/違反報告)
もっぴい! - す、すみません嬉しくてハイテンションになってしまいました…。これからもがんばってください (2019年11月10日 15時) (レス) id: 1e3d085ec9 (このIDを非表示/違反報告)
もっぴい - は、はう…。ありがとうございます!待ってました!!!これでまた勉強頑張れる…。これからもがん (2019年11月10日 15時) (レス) id: 1e3d085ec9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:儚奈 x他1人 | 作成日時:2019年6月8日 21時