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「なっ……！？」
「この冬採用されたというスカラビア独自の学習スタイルも学ぶところが多そうですし……」
提案をするアズールに、ジャミルは大変驚いたような顔をし、声を漏らした。
「そりゃいい！オクタヴィネルの寮長がウチの寮に滞在してくれるなんて、願ってもない」
ニカッと眩しいくらいの笑顔で賛成するカリム。
「……カリム、俺は反対だ」
「えぇ？なんでだよ」
それに対し、眉をひそめたジャミルは反対した。
ジャミルの反対という言葉に、カリムは首を傾げた。
「他の寮に追いつくために、わざわざ冬休みを潰して特訓しているんだぞ。
それなのに他寮の寮長を招き入れるなんて、敵に手の内を明かすようなものじゃないか」
「敵なんて大げさだな」
ジャミルが言うのはごもっともだった。
しかし、カリムは諦めず言葉を紡ぐ。
「それに、オンボロ寮の三人はお前が連れてきたんじゃないか」
「それは……っ、そうだが」
オンボロ寮のユウたちを招き入れたのはジャミル自身だ。
痛いところを突かれて、ジャミルは言葉に詰まる。
「俺はお前たちのためにも言ってるんだぞ。アズール……！」
アズールは過去のこともあり、人一倍努力している。
『メリットがないのに、他人に“タダ”で教えるなんてことはアズールは絶対にしない』とジャミルは確信していた。
何とか帰ってもらおうと、ジャミルはアズールたちにも言う。
「ジャミルさんの意見はごもっとも。他の寮は常に成績を競い合うライバルですから。
残念ですが、僕らはこれでお暇しましょう。カリムさん、ジャミルさん、特訓頑張ってくださいね」
残念というようにアズールたちは、鏡の方へと歩いていく。
「はぁ……極寒の中、今年も3人ぼっちのホリデーですか……。ま、仕方ないですけど……」
「頑張って魔法の絨毯を捕まえたんですが……」
「モストロ・ラウンジもめちゃくちゃになったのになぁ……」
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作者名：金平糖
| 作者ホームページ：(ヾﾉ･ω･`)ﾅｲﾅｲ
作成日時：2022年4月10日 15時
