第25話。 ページ26
カラ松side
ああ、とても心配だ。
でも、移ってしまったりしたら、Aに余計な迷惑や心配をかけてしまう。
そういえば、俺はまだ昼ごはんを食べていないことに気づいた。
何か食べる、と言っても人の冷蔵庫を漁ることやものを勝手に食べてはいけないだろう。
買うと言っても、俺には金がない。
「……」
まだ怖いが、俺は自分の家に戻ることにした。
「……よし、大丈夫だ」
『いつもの俺』を演じるんだ。
『弱くて、泣き虫な兄さん』じゃなくて『かっこいい、頼り甲斐のある兄さん』を。
だが、いざ家の前に来ると、この前のことをやっぱり思い出してしまう。
足が震える。今更入ってきてもいいのだろうか。迷惑じゃないだろうか。
「……あら、カラ松」
「!か、母さん……」
「カラ松どこ行ってたの。心配したのよ」
「……Aのところにお世話になってたんだ……。すまない」
「Aちゃんの所に行ってたのね。おそ松たちったら、カラ松のこと知らないって言うんだもの。まぁ、怪我がなくてよかったわ」
知らない、か。
やっぱり俺はいらない存在なのか。
だから……あの夜俺に鈍器を投げつけたのか。
もんもんと考えていると、入らないのかと母さんが聞く。
「あ、あぁ……。入るさ……けど、」
「……気まずいのね。大丈夫よ、おかえりって言ってくれるわ」
ニコリと笑う母さんに、考えている俺が馬鹿らしくなって、玄関の扉を開けた。
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金平糖(プロフ) - 夢沢夏美さん» わざわざコメントありがとうございます!とても嬉しいです!更新は遅いですが、気長に待ってくれると嬉しいです…! (2018年9月2日 22時) (レス) id: df27c0b327 (このIDを非表示/違反報告)
夢沢夏美(プロフ) - お買い上げありがとうございます!一読者として楽しみにしてまーす!設定はもう任せますからお気になさらずー! (2018年9月2日 21時) (レス) id: 3b66c3af26 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:金平糖 | 作者ホームページ:(ヾノ・∀・`)ナイナイ
作成日時:2018年9月2日 21時