罪を抱えた貴公子-26- ページ33
お互い、いなかった時間を埋め合わせるように練習に没頭した。良くないところを徹底的に洗い出して、意見を出し合い一つ一つの演目の質を上げていく。
意見は尽きることなく、議論は闇が更ける夜へと突入していった。
「それじゃあ、曲の雰囲気と合ってないからこうした方がいい」
「いやいや、ここはあえてこのままでもう一人の動きを引き立てるようになっているから」
僕も翔くんもやると言ったらとことんやるタイプの人間で、かつ、どちらも芸術家気質。お互いの妥協点を見つけるまで一苦労しそうだ……
たった2曲でこんなに時間がかかるなんて、どうみても
「「時間が足りない」」
二人で向き合って笑い合った。めまぐるしく過ぎ去る時間が怨めしい。
「………この辺で妥協しよう
正直、リハーサルまでに完璧にできる気がしない」
相性がいいんだと思った。ユニットとしての相性が良すぎる。
「だね
ドリフェスに向けて、もう無理はしないように」
「そっちこそ」
ー_ー_ー_ー_ー_ー_ー_ー_ー_ー_ー_ー_ー_ー_ー_ー_ー_ー_ー_ー_ー_ー
放課後、学校指定衣装に袖を通し、講堂へと一足先に向かった。
「………ちょっと遅かった?」
Ra*bitsのリハーサルの真っ最中、明るく可愛い兎たちの舞う姿を見た。
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作者名:雪桜 | 作成日時:2016年9月25日 12時