検索窓
今日:11 hit、昨日:23 hit、合計:34,800 hit

罪を抱えた貴公子-21- ページ27

「………変わったね、すずな」



「そう?」



いくつか、心当たりがあった。凛月と話したことや、ユニット衣装のこと。どれも自分は独りじゃないんだと実感できた。



それに、(くすぶ)っていた気持ちが整理出来たのあるし………



でも、きっとまだ、あの人はドン底にいるんだろうなぁ……



ふと、太陽の色をした王さまを思い出した。剣を取る気力も、立ち上がる力も皇帝に奪われてしまったのかもしれない小さな王さま。



「前よりも良くなってる」



「ありがとう」



突如、王さまに会いたくなった。彼は剣を()くしてしまっているだろうから、新しい剣を、立ち上がる勇気をあげたいと思った。



「ねぇ、翔くん
僕、これから用事があるんだ。泊まり込むなら完全下校時刻前には戻ってくるんだけど………」



この日、僕らは1日授業をサボって練習に明け暮れていた。そして思い立ったら即、行動に移す僕は翔くんに告げた。



「すずなは戻ってくるつもりなんでしょ?それなら、とことん付き合うよ」



練習着にしていたジャージから、制服に着替え、王さまの家に行く。泉さんとよく一緒に歩いたその道はまだ僕の中に色濃く残っている。



記憶を頼りに月永の表札がある、ごく普通の一軒家にたどり着いた。今はインターフォンの前に立っていて、それを押すのを凄く迷っていた。




「………あ、あの………
すずなさん、ですよね?」

罪を抱えた貴公子-22-→←貴公子の告白-4-



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.4/10 (29 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
39人がお気に入り
設定タグ:あんスタ , 男主 , 貴公子
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:雪桜 | 作成日時:2016年9月25日 12時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。