罪を抱えた貴公子-21- ページ27
「………変わったね、すずな」
「そう?」
いくつか、心当たりがあった。凛月と話したことや、ユニット衣装のこと。どれも自分は独りじゃないんだと実感できた。
それに、
でも、きっとまだ、あの人はドン底にいるんだろうなぁ……
ふと、太陽の色をした王さまを思い出した。剣を取る気力も、立ち上がる力も皇帝に奪われてしまったのかもしれない小さな王さま。
「前よりも良くなってる」
「ありがとう」
突如、王さまに会いたくなった。彼は剣を
「ねぇ、翔くん
僕、これから用事があるんだ。泊まり込むなら完全下校時刻前には戻ってくるんだけど………」
この日、僕らは1日授業をサボって練習に明け暮れていた。そして思い立ったら即、行動に移す僕は翔くんに告げた。
「すずなは戻ってくるつもりなんでしょ?それなら、とことん付き合うよ」
練習着にしていたジャージから、制服に着替え、王さまの家に行く。泉さんとよく一緒に歩いたその道はまだ僕の中に色濃く残っている。
記憶を頼りに月永の表札がある、ごく普通の一軒家にたどり着いた。今はインターフォンの前に立っていて、それを押すのを凄く迷っていた。
「………あ、あの………
すずなさん、ですよね?」
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作者名:雪桜 | 作成日時:2016年9月25日 12時