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罪を抱えた貴公子-19- ページ24

凛月の言葉は不思議と安心するもので、ずっと抱えていた不安がすっと鳴りを潜めた気がした。



「………ありがとう」



そう言い、彼の顔を見ようと振り向くと凛月は既にそこにはいなかった。




音楽室からピアノを弾く音が聞こえてくる。今はあまり聞かなくなった曲だけどすんなりと心に入ってくる。



ささやかに響くかつての仲間からの応援歌。








共に過ごした日々が()くなることはないから、信じた道を進め







……………嗚呼、もうホントに頑張るしかないじゃん。エールを貰ったんだ。途中で諦めるとこなんて、見せられるワケないなぁ




ホロリ、ホロリと涙が落ちた。




それは決して後ろ向きなものじゃなくて、前向きな涙。大きな粒となって、どんどん溢れ落ちていく。



…………やっぱり、Knightsには感謝しかないや
ありがとう、いつまでも大好きだよ



そんなことを直接、伝えるなんて恥ずかしくて出来やしないけれども、いちばんの味方になるよ。絶対に。



「優しい人ばっかりだから、色んな人が来るかも………」



そんな見に来てくれる彼らの為にも、感謝の気持ちをいっぱいにして、伝えよう。



支えてくれる人たちへ、見に来てくれる一人一人の観客(お客様)にありがとうを。

罪を抱えた貴公子-20-→←騎士を名乗る吸血鬼-18-



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作者名:雪桜 | 作成日時:2016年9月25日 12時

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