02-楽しみのよりどころ ページ6
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「…彼、潔癖だから携帯歯ブラシなの」
「あ、そういう事？」
「……ごめんね、あんまり話したくなくて」
少し目を伏せただけで頬に睫毛の影が出来ている。
……ま、そりゃそうか。
ただでさえ今別れたいと思ってる相手なのに、答えにくい質問をしたな。
「五条くんにしてほしいのは、私の部屋で普段と変わらない生活を送ってもらう事。朝は一緒に家を出て、夜は一緒に帰る、それだけが条件」
「それだけ？ ……もっと恋人らしい事、しなくていーの？」
Aは笑った。
あー、こりゃ僕が単純に彼女としたいのがバレたな。
「それじゃ、外では手を繋ごう。それでどうかな？」
「……家の中は？」
「彼が見てないもの。する必要ないでしょ？」
「ふーん。ま、それでいいよ」
良くねーよ！ と全身全霊で叫びたいけど我慢した。
何せ彼女のいう事は半分絶対だ。
それこそまるで呪言の様に力を持っているようで。
「ご飯、まだだよね？ 昨日の残りだけど」
「食べるー！」
「はーい」
けどまあ、どんな形ででも彼女の家にこうして立ち入って一緒にご飯を食べられるのなら、最＆高の極みだし別にいいか。
高校時代密かにAに惚れ続けて１０年。
僕がまどろっこしい口説きしかしなかったからか、全くなびいてくれなかった。
今回が最後だ。彼女を本気で落とす。
「うまー！ 自炊最高！」
「五条くんだって出来るのに」
「なーに笑ってんのさ。Aの料理だから美味いの」
「それじゃそういう事にしておくね」
甘い出汁の味噌汁を飲み干して完食する。
ゆっくり食べるAを真正面から頬杖付きながら眺めた。
あー、やっぱ可愛いな。こいつ。
世界一可愛い。顔もしぐさも雰囲気も。
高校の時はあどけなさも残ってたけど、１０年経って大人の色気が出て、なんていうか、
「五条くん、見すぎ」
「あれ、バレた？」
「目隠ししてたって分かるんだから」
卓上でも必然的に上目遣いになるAが、少し僕を睨むものだからぞくぞくした。
２週間、マジでもたない気がする。
「はい、五条くんはソファね」
「ちょっと待ってそれは無くない！？」
「だって付き合ってもないのに一緒に寝るのは違うでしょ」
「それはそうだけど、え、A？」
「おやすみ五条くん、また明日」
「マジ！？」
＿＿風呂上がりに告げられた残酷な事実。
もしかしてA、僕がやましい事考えてるの気付いた？
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花帆 - 両者の視点で本心が読めるのも面白いです♪続き楽しみにしています! (2022年9月28日 2時) (
レス) @page28 id: 8832d32b96 (このIDを非表示/違反報告)
おそらまめ(プロフ) - yukinoさん» yukino様、作者の様々な作品に目を通して頂き大変うれしい限りです。yukino様から頂いたコメント、全て拝見しております。いつも励みになるコメント、ありがとうございます！ これからもどうぞご支援頂けると幸いです。 (2022年1月20日 5時) (レス) id: bb8d3426f9 (このIDを非表示/違反報告)
yukino(プロフ) - 私呪術廻戦では五条悟が一番好きなんですよ！（知るか） 読んでて，とても面白いです！！！続き気になります！頑張って下さい！！ (2022年1月17日 20時) (レス) @page18 id: b465ac1425 (このIDを非表示/違反報告)
おそらまめ(プロフ) - 董香さん» 董香様、コメントありがとうございます！嬉しいお言葉、励みになります!(^^)これからも頑張れます！ (2021年5月31日 16時) (レス) id: bb8d3426f9 (このIDを非表示/違反報告)
董香(プロフ) - はじめまして！こんにちは！ 読んでてすごくおもしろいです！！！これからも楽しみにしてます (^^) (2021年5月30日 13時) (レス) id: cdc6ebec75 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おそらまめ
| 作成日時：2021年5月29日 15時
