【妖狐×僕SS＊黒子のバスケ】私と誠凛と妖館＠final

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【日向side】


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全く意味がわからなかった。
全く状況を把握できなかった。


突然よくわからない、
狸のような動物が俺らの目の前に現れて。



俺がその狸をみた言ったのは“袖引き狢”。
直感的に、そう思ったから……だ。


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木吉が言っていたように、
『帰ろう、帰ろう』という声は聞こえなかったが。

それでも何故か、確信をもてた。


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凜々蝶「君たち、どうしてここにいる？
何のために袖引き狢に連れてこられてきた？」


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“お荷物だ。”と言われている気がした。
“邪魔者だ。”と言われている気がした。


俺自身、どうして来たのかわからなかった。


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Aとの関係はもうどうやったって、
元通りにはなれっこないのに……。


今更、何をどうするもない……。


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俺たちが蒔いた種は、もう根を作ってしまった。

拾ったとしても。
採ったとしても。

何度でも、生えてくる。



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.蜻蛉「そいつらの友人が、我が家畜と共に袖引き狢に連れていかれたらしい」



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ーーだからだろう、と仮面の男はそう言った。


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やっぱり伊月は連れていかれたのか。


Aと仲の良かった、去年の世界に。


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