【妖狐×僕SS＊黒子のバスケ】私と誠凛と妖館＠final

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伊月「俺は今までお前に…、ずっと辛い思いをさせてきた………伊月、俊、だ」


A「……ッ」


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今までの、
嘘の世界に戻っていたのは…帰っていたのは…


私だけじゃ、なかった。


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伊月さんも、行っていた。
あの世界に。

私が構成した、私が創った、あの世界に。



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A「……本物…」


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もしもそれが、『袖引き狢』の創った嘘じゃなかったら。


伊月さんは、私に。
本当の伊月さんは、本当の私に。

ーーーー好きだ、って言ってくれた。


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私が聞きたかった、
私が言われたかった、
私がそうなって欲しいと願った言葉を。


言ってくれた……。


恋愛感情でなのか。
それとも今までの後悔からの友情でなのか。


………どっちでもよかった。


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『好きだ』という発言は。

事実だから。
もう本当の世界では聞けない言葉だから。


最後に、最期に聞けて、嬉しかった。



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A「…………好き」


伊月「……………っ!」


A「私も…………好き……!!」


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泣いていた、だろう。


今まで忘れていた嬉し涙。

私も好き。
伊月さんが、ずっと好きだった。


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ーーーーーーー…でも。


好き、な、だけ………。

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