【妖狐×僕SS＊黒子のバスケ】私と誠凛と妖館＠final

182. ページ6

【伊月side】


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ここがどこかわからないまま、

俺は突っ立っていた。


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何をどう行動していいかわからず、
動いていいのかさえも判断できずに。


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そうしたら、不意に声が聞こえた。


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声の主は、案の定Aで。


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Aは俺のことを“伊月さん”と呼んで。

しゃべり方も敬語になった。


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･････さっきまでは普通にタメ口で、“伊月くん”だったのに。


もちろん、そうさせてしまったのは俺で。
AをAじゃなくしてしまったのは、間違いなく俺で。


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俺が悲しい、とか言えるわけなかった。

Aはなにも言わないのに。
俺が言うなんて、おかしい。


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でも、それでも俺は戻りたい。

さっきのように、去年に。


Aは言った。
――その言葉だけで、私は充分幸せ･･･だよ？――


そう、言っていた。


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自惚れ、かもしれない。
楽観的観測、かもしれない。
そういう意味で言ったんじゃない、かもしれない。


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けれど。

俺の告白は、成功―――･･･したんだ。


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だから。


もう二度と、あんなことはしないから。
もう二度と、あんな思いはさせないから。


今までのことを、許してもらおうなんて、
虫がよすぎるけど、


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伊月「･･････････････伊月くんで、いい。
････････伊月くんって、さっきみたいに、呼んでほしい･･･。」


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