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＃１４３ ページ17
翔side
A「………」
翔「………」
いつの間にかAは大人になったと俺は勘違いしていたみたいだ。
翔「どういうことか説明して。」
A「……」
ほんの少しの時間、目を離した隙にAは自傷行為をした。
没収していたはずの剃刀をなぜか持っていたしベッドの上で堂々と切っていた。
翔「…退院、長引くけど仕方ないよな？」
A「……」
何も話さないか…
俺以外の人になら話してくれるかもしれないけどあいにくみんな出張やら外来やらで手が空いていない。
せめて何か話してくれれば対処できるんだけどさ…
翔「治療しよう？」
優しく諭しても全力で首を横に振るだけ。
俺だって厳しくしたくないからなるべくAのペースに合わせるけど血塗れの手首をそのままにしておくわけにはいかない。
翔「包帯巻くだけ。ね？」
A「いい…いらない…」
やっと何か発したと思ったらこれだよ…
俺は怒りの感情を抑え込んで手首の処置を始めた。
Aは嫌がってるけど仕方がない。
無理にはやりたくない。でもそのまま放っておけない。
A「放っておいて…」
翔「そう言って何回我慢して来た？もうお前の放っておいてと大丈夫は信じないから。」
やっぱり変わらないところは変わらないんだ。
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作者名：蒼紗仁真 | 作成日時：2018年5月22日 11時
