同級生はどうやら頭がおかしいらしい。【鬼滅の刃】

20話「美味しい大根」 ページ21

「あれのもっさいの誰？知り合い？」とむいたんに聞かれたので担任の先生だよと答えると、めちゃくちゃびっくりされた。あの汚いジャージが…ありえない…と小声で言ってる聞こえてるからね。あとそれ私にも地味にブーメランだから。


「はーい！あら、どちら様ですか？」

「私、青柳さんの担任の冨岡と申します。実は今日の遠足で怪我をされて…」

「あらあらまぁまぁ、そうでしたか。わざわざすみません…！うちの子ったらすぐに突っ込んで行っちゃうんですよ、ほほほ。そのせいで小さい頃から生傷か耐えなくて。今回もうちの子が暴走を？」

「まあ、はい。そうですね」


おい肯定すんな。いや事実だけど。


「足を捻ったようで。あと髪に隠れて見えづらいですが頭に包帯も。病院には既に連れていきました。安静にしていれば問題ない、と」


バッとむいくんに前髪を持ち上げられる。び、びっくりした。露骨に顔を歪ませるむいたん。あぁ、そんな顔しないで。


「Aママ！Aを早くお風呂に入れてあげて！ジャージも髪もドロドロで僕見てられない」

見てられないほど汚いのね私。


「あらそうね、お風呂はいっちゃいなさい。むいちゃんもお夕飯食べていくでしょ？あ、そうだ。先生も良かったらどうですか？」


名案！とばかりにポンと手を叩いてニコニコ笑うマミー。
その瞬間、ヒュォォオ！と隣からとんでもない気配を感じて思わず2度見する。む、むいたん？


「いや、私は…」

「そうだよね、生徒送りに来ただけだもんね。早く帰ったら？しかもその服で人様のましてやAの家に上がりこもうなんてありえないよ」


と、トゲトゲしている…！むいくんトゲトゲモードだ。1部の人以外はとんでもなく塩なんですこの天使。その冷めきった視線と言ったらもう…。思い出すのやめよう。


「……！じゃあ、お風呂もついでにどうですか？」


「そのままじゃ車も汚れてしまいますよ、せめてお茶くらいは出させてくださいな」とニコニコ。思わぬマミーの反撃にたじろぐむいたん…！さぁどうする！！！


「ちょ、待ってAママ、そこまでする必要ないって」

「1人くらい増えても変わらないわよ。せっかくここまで送ってくださったんだもの。あ、そうだ。今日のお夕飯、鮭大根なんですよ。美味しい大根頂いて」

「ではお言葉に甘えて」

「おい」


さぁどうぞどうぞ、と中へ招き入れるマミー。慌ててそちらに駆け寄ってなんとか阻止しようとするむいたん。あれ、……私放置？

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