15話「悪口のレパートリーが少ない系女子」 ページ15
何度聞いても胸糞悪いな。初見の時もかなーりむかついたんだぜ異形さんよォ。
「ぁぁぁあぁあ!!!!」
怒りに任せて飛びかかっていく錆兎。まずい、怒りで周りが見えていない。技が、呼吸が荒い。いつもの錆兎じゃない。あれじゃ、刀の状態の問題以前に錆兎は…!!!!
勢いに任せて切り込まれた刀は、俺はしなかったものの硬い首に弾かれて、錆兎の手から離れた。
その瞬間、勢いよく地面を蹴る。間に合え、間に合え、!!!!
「!!しまっ…!」
「錆兎!!!!」
一瞬の錆兎の動揺を突いて、異形の鬼の手が錆兎の頭に伸びる。
私に気づいて動きが一瞬おくれたのか、その大きな手が届くより数秒早く、私の手は錆兎の羽織を掴んだ。勢いよく引き寄せ、伸ばされた手を斬ると錆兎を抱え鬼から距離を取る。
サッと木の影に身を隠して呼吸を整える。心臓の音がうるさい。よかった、間に合った。あの瞬間、考えるよりも早く体が動いた。まるで自分の体じゃないみたいな、そんな感覚だった。
「お、まえ、なんで…何して…」
「何してんだはこっちの台詞でしょうがこのボケナスが!!!!」
「な、ぼ、ぼけなす…」
「師匠のこと、あんなふうに言われて怒るのも気持ちもわかる。けど、今は、今するべきことは、その怒りに任せることじゃない。」
「…っ」
「それと、あんまり自分一人で全部何とかしようと思うの悪い癖だよ。義勇に心配かけすぎ」
唇を噛み締めて俯く錆兎。多分この子はこれくらい言わないとわかんないからな。ちょっと罪悪感あるけど、撤回はしないぞ!事実だしな!
影から手鬼の様子を伺う。錆兎を殺す邪魔をされたことと、しかも女に邪魔されたことで怒り狂ってる様だ。私たちを探している。
このまま放っておくと真菰ちゃん助けられないし、ここで倒しておくのが最適解かな。
「俺の邪魔しやがって…まとめて殺してやる…女…女ァァァ!!!!!!!!!」
「手鬼さん。あなた作品の中でもあんまり評判良くないからもうちょい言動改めた方がいいよ」
「なァに訳の分からないこと言ってやがる!!!黙って食われろァァ!!!!」
伸びてくる手を上手く交わしてなんとか間合いに入ろうと近づく。全集中の持続時間が少ない分、使う回数は限られるし連発して使えない。
「A!」
名前を呼ぶ声に反応が遅れた。いつもなら名前を呼ばれなくても何となく気配で気づくのだが、どうやらこの時の私には相当余裕がなかったらしい。
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鎖夏(プロフ) - 楽しく拝見させて頂いてます。私、錆兎が大大大好きなので、この作品まじ最高すぎます!!夢主ちゃんの性格もよき笑応援してます!! (2020年6月22日 18時) (レス) id: a8669a7d2d (このIDを非表示/違反報告)
花札 - そういえば、ひなたさんの推しは誰ですか?それと、有一朗君が死んでしまった所とっても泣きました。カナエさんはどうなるんでしょうかね。頑張ってください!! (2020年6月5日 15時) (レス) id: bb31b5d897 (このIDを非表示/違反報告)
いくら - ひなたさん» いえいえ!!こんな素敵な小説なら、いつまでも待てますよ!! (2020年5月19日 12時) (レス) id: 16c4d9d785 (このIDを非表示/違反報告)
花札 - こんにちは、とても面白かったです。(はやく続き読みたい・・・。)更新、頑張ってください!応援してます!! (2020年5月9日 21時) (レス) id: bb31b5d897 (このIDを非表示/違反報告)
ひなた(プロフ) - いくらさん» くそみたいに更新遅くて申し訳ないです…!頑張りますね!!!! (2020年5月9日 11時) (レス) id: 138242db57 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ひなた | 作成日時:2020年3月17日 12時