39話 映画館でホラー系は観たくない ページ41
「…なあ、なんでそこまですんだよ」
沖田の後ろから、僕が呼びかけるようにして言うと何故か沖田は笑顔で振り返った。
「え、別に理由なんかないんでさァ。この後倍に金を返して貰うとか、また今後も俺の言う事聞いてもらうとか。そんな気持ちは全くないですぜィ」
「お前…下心隠しきれてないじゃねえか！」
まあ、そんな事だろうと思ったけど！
「…なんて、冗談でさァ。…俺が無理矢理連れて来ちゃったてのもあるからなんでィ。…それに、俺もこうやって友達と出かけるのは正直初めてだったんで浮いているだけなんでさァ」
「…友達？だったのか？」
そう言った沖田の言葉に僕は首を傾げる。
そういや、前にもそんな事を言ってたよな。
「…何を今更。友達って言うのは、いつの間にかできているものなんでさァ」
そう言った沖田は嬉しそうに歩き出す。
そうか、これが「友達」ってやつなのか。友達できたの初めてだからよく分からなかったけど。
なんか、新鮮な気持ちだ。
こいつも、最初はムカつくだけの野郎だったけど…。なんか、今は…。
「そーいや、映画って何みるんだ？」
「最近始まったばかりの新作。日本で一番怖いと称される「呪○」でさァ。まさか零、怖いやつ駄目なんて言いやせんよね？」
そう口角を上げ、面白そうに見せてくる沖田。
「よし、帰ろうぜ」
「待てよィ」
そう言って沖田は逃げようとした僕の袖を強く掴む。それは、まるで逃がさないとでも訴えるかのように。
おいィィィィ！流血系は全然大丈夫だけど、お化けとか幽霊とか実態のないものは苦手なんだよ！
沖田の顔からして…こいつ、まさか知ってて…！
「…せっかく俺が奢るんだから、存分に楽しんでくだせェよ」
その笑顔は、とても不気味なもので。この野郎…そう言えばクラスでもサド王子とか何とか言われてたな。
駄目だこいつ。最初も今も、変わらねえただのムカつく野郎だった。
それから沖田は嫌がる僕を引きずり、僕は映画館へと連行されたのであった。
□□□
「…馬鹿野郎。沖田のクズ！アホ！」
「…いや、なんか色々と集中出来やせんでした。…それにしてもまさか零がホラー系無理だったなんて…。いやー、知らなかったんでィ」
そう棒読みで言った沖田の頭にもう一度拳を入れた。
「…いや、まさか袖掴まれるとは…ってごめんって。拳を降ろせ」
そう沖田はもう一度殴ろうとした僕を宥める。
はぁ…最悪だ。
よりにもよって沖田に知られるなんて。
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夜蛍(プロフ) - 太陽さん» ありがとうございます！某執事好きなのでなんかそれらしくなっちゃいましたw (2015年7月1日 16時) (
レス) id: 5105134f07 (このIDを非表示/違反報告)
太陽 - 何か黒〇事に似てるけど、とても面白いです！ (2015年7月1日 16時) (レス) id: 6090b1bd34 (このIDを非表示/違反報告)
巴御前 - ありがとうございます(*⌒▽⌒*) (2015年6月28日 7時) (レス) id: c08cf44779 (このIDを非表示/違反報告)
夜蛍(プロフ) - 巴御前さん» 大丈夫です、テスト頑張ってください^ ^ (2015年6月27日 20時) (レス) id: 5105134f07 (このIDを非表示/違反報告)
巴御前 - 夜蛍さん» 返信遅くなってすみません 毎週買っているんですね！いいですね(*^-^*) ぜひ見てみてください(*^▽^*)すごく面白いですよ！ 僕は今、月曜日にあるテストに追われてます( ノω-、） (2015年6月27日 20時) (レス) id: c08cf44779 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夜蛍 x他1人 | 作成日時：2015年6月13日 18時
