【黒子のバスケ】愛してる、なんて嘘。

Liar 22. ページ27

赤司side
　
　
　
　
　Aに別れを告げられた。
　
　
　
　
　そんな日から数日経って夏休みになった。
　依然、彼女とは一言も話していないし、姿すら見られずじまいだったが。
　
　
　
　Aと別れたせいか考える暇も与えぬよう、部活により一層打ち込んだ。技術も向上した。思わぬ副産物だ。嬉しくないがな。
　
　
　
　今日も今日とて汗だくになりながら体育館を駆け回っていたのだが、家に帰れば頭に浮かぶのはAのこと。いい加減、夜が嫌いになりそうだ。
　
　
　
　
　
　嫌だ。別れたくない。別れたくなかった。
　離れたくない。もっと一緒にいたい。
　
　
　
　
　
　あぁ、ダメだダメだ。
　夜はマイナス思考になる。未練がましすぎるにもほどがある。
　
　
　
　
　…だが、本当にこのまますっぱり別れるのか？
忘れられるのか？
　
　
　
　
　そう聞かれてしまえば答えは否だ。
　
　
　
　このまま何も行動を起こさないのはボクの座右の銘に反する。
　
　
　
　迅速果断────素早く決断し、思い切りよく行動する。
　
　
　
　
　何もしないままなんてボクらしくない。
　
　
　
　
　そう結論を出してしまえば、することは決まっている。
　
　
　
　
　早速、スマホの電源をいれた。

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