アイデンティティ4 (ページ28)

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１７６話ページ28

市川は丁寧に頭を下げ、礼儀正しく出会いの挨拶をしたのだが、いきなりの闖入者の登場に一同は声もない。

「彼は一体…？」

「…市川座名九郎、歌舞伎の名門市川家の人間中学生ながらものすごく活躍している、"歌舞伎役者"だよ」

キャプテンその疑問に答えるのは、監督ではなく物知りの皆帆だった。市川が中学生ながら大活躍している歌舞伎役者であることを告げる。

「ほほう！役者とな！」

役者の私には聞き捨てならない、役者とはなんといい人材を集めてきたんだ！！しかも歌舞伎！！いい役所じゃないか！

「歌舞伎役者とはいっても私ごとき…"名も無き小市民"ですから嫌、正確には名前はあるのですけど…」

「歌舞伎役者ってまじかよ…」

「まさかこんな所で会えるなんて…」

「よろしくな！」

「こちらこそ、皆さんにお会いできて光栄です。」

九坂はその出で立ちに親近感を覚えたのであろうか、気さくに挨拶をかわすは市川は謙虚に、アースイレブンに会えたことを光栄に思うと返答する。その謙虚な態度にさくらは好感を覚える。

「惑星間サッカー大会グランドセレスタ・ギャラクシーにはこの13人で出場してもらう」

「待ってください、彼を選んだのも、もしかして…」

一同は決意を新たにするが、まだ確認しなければならないことがあるということに、冷静な神童だけは思いが至っていた。