【文スト】"超"下級構成員。

Epilogue 4 ページ6

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任務内容は人虎―――…もとい中島敦を調べろ、と言うものと泉鏡花の御世話だった。その仕事を任された私は本日何度目かの溜息を吐いた。一日で色々な事が有りすぎている。

情報が完結しないとは正にこの事。




「……今川」

そう言い私の方を向く芥川さん。

「はい、何でしょうか」

芥川さんの方を向くと相変わらずの無表情…とまでは言い難いが相変わらずの仏頂面だ。…咳ばかりしている様だが喉は大丈夫なのだろうか。

まあ、前に理由は知らないが何か叫んでいたのを見たことはあるので大丈夫だとは思う。というより大丈夫であれ。




「樋口の処へ行き、鏡花の世話の仕方を聞いて来い」

…成程。でないと彼女の好物、そして苦手なものもわからないだろう、と言う彼なりの優しさ…なのか？まあ、ここは優しさだと信じようじゃないか。

樋口さんが誰なのかは知らないが。


「…了解致しました」


やはり此処で樋口さんのいる場所を上司に聞くのは失礼だろう。流石の私も本社内で死ぬのは御免だ。そして芥川さんと離れ、私は樋口と呼ばれた方を探しに行くことを決意した。

そう、決意したのだが…矢張り居場所が分からないのでまあ…取り敢えずそこら辺に居た黒服に聞こうと思う。

黒服より下級でも構成員である私の方が身分は上だ。それに、名も知らぬ部下に聞いても罪悪感は感じない。






「………黒服くん」

「……はい」



「樋口さんって方はどこにいる？」

「……前の部屋で御座います」

「あ、そう…」


真ん前だったのか。だから芥川さんは私に場所を言わなかったのか。

……後に樋口さんがいる部屋の前で芥川さんと一緒に喋っていたことを、私は後悔することになる。




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