主人公ポジになった鬼丸さんが魔入ります！ (ページ25)

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第23話鬼丸さんなりの優しさページ25

突然怪鳥はドシャッと倒れ込んでしまった。見ると片足にケガを負っている。鬼丸さんが心配して近づこうとするも怪鳥は警戒して余計咆哮を上げる。思わずすみませんなんて言ってしまう入間くんだが、ここでハッと気付いた。鬼丸さんにヒソヒソと話すると刀をサッと構えた。攻撃されると思ったのか、怪鳥も唸り声を上げる。そしてシュッと音がしたかと思うと…

鬼丸さんは自分の手を刀で切ったのだ！その行動に怪鳥も驚いていると、鬼丸さんは徐にハンカチを裂いて自分でつけた傷に包帯のように巻きつけ、怪鳥に見せつけた。そして「あー…こういう風に手当てしたい…」ダメか？と言いながら鬼丸さんは「傷をこのように手当てしてあげる」旨を一生懸命怪鳥に伝えた。その真剣な鬼丸さんの目を見て･･･

怪鳥はゆっくりと鬼丸の前にケガをした足を差し出した。伝わった･･･！「すまないな。ちょっと待ってろ。」そう微笑みながら言ったその時、予想以上に自分でつけた傷が深かったのか、鬼丸さんの手から血がポタリと垂れた。その血は怪鳥の傷の上に落ち、みるみる傷が治っていくではないか！まるでケガをする前のように綺麗に治り、怪鳥も痛くないと喜んで足を振ってみせた

もしかして魔界での人間ってこういう能力を持つのか！？でも血だけで傷が完治するなんて、魔界で人間ってかなり貴重なんじゃないか･･･そう思っていると傷が治り痛みが消えたと喜んだ怪鳥が嬉しそうに一声鳴いて立ち上がった。その元気な様子を見た鬼丸さんは「よかったな」と笑いかけた。すると怪鳥の毛がブワッと広がった。鬼丸さんの心意気に胸打たれたみたい･･･

怪鳥は鬼丸さんに擦り寄ったかと思うと、鬼丸さんを背中に乗せて満足そうにどこかへ飛び立った！

一方こちらは「金剪の谷」のサブノック。何やらボロボロの姿で苦悶の表情を浮かべながら「抜かった･･･！」と歯を食いしばる。このままでは己は魔王になる前に死ぬ･･･！

倒れ込むサブノックの前に･･･恐ろしく大きな魔獣が睨みを効かせていた。もしかしてこれが「金剪の長」か？！

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