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十一話 ページ12








「bad boy!仔犬、俺様の授業でうたた寝とは…躾が足りてないようだな」


「ぅ…」


「寝るな!仔犬、この問題を解いてみろ」


「はい…」






隣に座るエースたちに「またかよ」と呆れられながら、僕は黒板に書かれた問題を見る


…………ああ、今の時間は数学か


かなりの応用問題だけど、こういう問題は向こうにいたときよく後輩に教えてたから楽勝、かなあ






「Xは3分の5、Yは2、Zは………6…?」


「…」


「いや、√5です」






兄さんたちの弟として、学校の勉強は常に主席を取れるように頑張ってたからねぇ……


まあ、いくら今頑張ったとしても

兄さんは僕の頭を撫でてはくれないけどね






「ウェルダン。よく出来たな」






──なんて、

感傷的になってる場合じゃない、か






「もう居眠りはするな。分かったな?」


「はい、先生」






僕はもう、兄さんがいないと何も出来ないような赤ちゃんじゃない


なんでもすぐ兄さんたちに頼ってばっかじゃ

また僕は、ダメ人間になっちゃう……





(でもでも、やっぱり寂しいよ…)





僕はいつでも兄さんたちの後ろにいた



"ずっと一緒にいる"って約束をしたけど色んなモノに雁字搦めになり、思うように動けなくなった零兄さん

素直になれない儘もう戻れないところまできてしまい、どうしたらいいか分からなくなった凛月兄さん



そんな兄さんたちをどうにかしたくて、


誰かに助けてほしくて、



無我夢中に奔走した結果、




──状況は更に悪化




僕はぶっ壊れて動けなくなった


頭に響くのはノイズと自分への罵詈雑言で、それが怖くて、一歩も外に出れなくなった……













まあでも──







「(小声)お前ら今の見たか?
魔力なしの癖に調子乗ってっから」


「(小声)まじ笑える。媚びへつらうことしかできねぇってのに」


「(小声)あはは、言えてる〜」






あの"瞬間(とき)"がなかったら



今の僕は…

もう、既に壊れてたかもね





























ーーー図書館







「相変わらず勤勉じゃのう、お主は」


「久しぶりだな、人の子よ」







図書館の隅っこで黄昏ながら今日の復習をしていたらリリちゃんとツノ太郎に出くわした



相変わらずの存在感だなあ……



なんて考えていたら

リリちゃんが優しく僕を撫でた






「どれ。わしがいい子いい子してやろう♪」


「!………ふふ、ありがとう♪」

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初 。(プロフ) - 初コメ失礼します…!とても良いお話で見る度に凄い…好き…ってなりながら読んでました(泣)次の更新心待ちにしています…!!! (2022年9月12日 4時) (レス) @page25 id: 8fa79c3961 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - さやかさん» 有難うございます!期待に応えられるよう、精一杯頑張ります! (2022年8月16日 19時) (レス) id: 4a169714af (このIDを非表示/違反報告)
さやか - お話投稿お疲れ様です!あんスタ×ツイステはあまりみかけないのでこういう小説があって嬉しいです!頑張ってください! (2022年8月16日 18時) (レス) @page19 id: 9aa8dafe93 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2022年8月9日 20時

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