噂です ページ36
突然ビュオッと風が吹いて、光くんがこっちに降ってきた。
わたしにぶつかったから、ケガはしなかったっぽい。
「彼は願って俺は応じた。だから俺には願いを叶える」
「俺のやり方でね」
ゴトンと、つかさくんがラジオを置く。
ダメだ。
反射的に体が動いた。
三葉は噂によって変わった。だから、噂を聞かなければなんとかなるはず……
「さあミツバ、君の願いを叶えてあげるね!」
わたしは三葉の耳を塞いだ。でも、
《…こんな噂を知っていますか?“昇降口の首折りさん”》
そんな七峰先輩の語りに、三葉は反応する。
まだ、まだ間に合うはず
「お願い、聞かないで……!」
必死で三葉の耳を押さえてると、
「ジャマしないでよー」
と声が聞こえて、いわゆるみぞおちに当たる部分を膝蹴りされた。
「うﾞっ……!」
体に力が入らない。痛みすら感じず、体がドクドク脈打つ。
「ッ!A!!」
そうじゃない、違う。
動いて、動いてよ……!
《中等部の昇降口に出る、首の折れた幽霊のお話》
《彼はとても寂しがり屋の幽霊なので、あなたに話しかけてくるかもしれません》
《「ねえ…」》
《「『僕 の こ と 忘 れ ちゃ っ た?』」》
止めないと、このままじゃダメなのに、意味がないのに、
変わってく。三葉が消えちゃう……。
《もしも彼の名前を答えられなかったら》
《その時は》
《首を折られて彼と同じ姿にされてしまうでしょう》
その噂はあっという間に広まって、
三葉が壊れはじめた。
「嘘だろ、三葉…っ」
「戻ってよ、聞かないで……」
「源…くん…上野……さん…」
ザザザザザ、とノイズがかかり、ラジオが止まる。
「…さあ」
「これできっと、みーんな君のこと忘れられなくなるよ」
「良かったね!ミツバ!」
つかさくんにミツバ、と呼ばれたものは、
さっきまで一緒にいた三葉ではなく、“昇降口の首折りさん”になっていた。
「七不思議は、人と怪異の関係を正しく保つと言うけれど」
「そんなものは必要ない。人も怪異も望むように在ればいいのさ」
「それで壊れちゃうような世界なら、壊れた方がいいんだって」
「そう思わない?」
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ゆりりん - 私も光ミツ好きです (2022年8月1日 16時) (
レス) @page30 id: 2b16648ba7 (このIDを非表示/違反報告)
我妻 凛生 - もう光くんが尊い推ししか勝たん (2020年12月17日 10時) (レス) id: 2cf38c9a15 (このIDを非表示/違反報告)
花琉�� - 若葉さん» ありがとうございますぅ！！個人的にですね、光くんは純粋で子供っぽさがあって頑張りやさんの可愛い中に！かっこいいが入ると！！一瞬で爆死れべるで萌えます！！！(なんの話だよそんなんなくても光くんは萌えるよ)頑張ります！ (2020年3月5日 13時) (レス) id: a210479166 (このIDを非表示/違反報告)
若葉 - ここの光くんがちょーーーーーーー可愛い！ありがとうございます！浄化されました！ (2020年3月4日 18時) (レス) id: 4dface175c (このIDを非表示/違反報告)
花っち�� - 歯みがき粉さん» いやー光くんいいですよねぇーーー！！！リアルで分かってくれる人いなくて寂しかったんですよー！お気に入りだなんて……！ありがとうございますコメ力で更新頑張っちゃいます！ (2019年11月15日 22時) (レス) id: a210479166 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：花琉 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/a1129/
作成日時：2019年9月13日 20時
