２９０度 ページ40
そんなエルザにAは口を開く。
「誰も悪くなんかないよ。」
優しいAの声に思わずエルザはAを見た。母が泣いている子供を慰めるような声だった。この声を聴いたのは何時ぶりだろうか。
「エルザの痛みは妖精の尻尾の痛み。エルザの罪は妖精の尻尾の罪。一人で背負い込む必要なんてないんだよ。だって、エルザはもう妖精の尻尾の一員でしょ？」
愛を語るAの姿はどこか寂しそうに目を伏せていた。エルザの瞳から涙が溢れた。Aはエルザに笑った。
「一人でもう泣かなくていいんだよ。」
「A、」
その瞬間、背筋の凍るような魔力を感じた。バッとその魔力の方へ目を向けるとジェラールがボロボロのナツに向けて攻撃を仕掛けていた。
「影が光源と逆に伸びてる！！この魔法は！」
Aは冷や汗を掻き、必死に踏ん張るナツと魔力の渦の中心にいるジェラールを見た。
「無限の闇に落ちろォォオ！ドラゴンの魔導士ィィ！！！」
ジェラールが叫んだ瞬間、Aの横を何かが通過した。緋色の髪が揺れる。Aは叫んだ。
「エルザっ！！？」
皆が息を呑む。 ナツとジェラールの間に、エルザが立ち塞がったのだ。
Aはその姿に記憶がフラッシュバックした。その人は自分を庇い死んだのだ。Aの足がガタガタ震える。
エルザは、自分の体はゼレフに捧げる生贄だから殺せないだろう。と考えたがジェラールはそうなることを読んでいたらしい。自分の前に立ちはだかるエルザに、この際別にお前でなくても聖十大魔導程の力がある者なら構わない。と告げた。
確信した。ジェラールは本気なのだと。Aは歯を食いしばる。震え冷や汗が止まらない。
「おまえは何も心配するな。私が守ってやる」
「やめろォーー！！！」
「暗黒の楽園(ｱﾙﾃｱﾘｽ)！！！」
轟音を轟かせながらジェラールの魔法はナツとエルザへ放たれ凄まじい衝撃が二人を襲おうとしたが、
「童話魔法！！北風と太陽っ！！」
ジェラールに強風がぶつかる。突然のことでジェラールの狙いがズレた。そして攻撃が放たれた先に人影があった。
「Aっ！！？」
「なっ…！？」
黒が、宇宙の無限の闇がAを飲み込んだ。
--------------- ｷ ﾘ ﾄ ﾘ ---------------
そう言えば忘れていましたが、
私意味深に１０月中に楽園の塔を終わらせるとか言ってますよね。
え、まじか。
まじか。(いや無理です。)
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海姫(プロフ) - オーマイダティーさん» うおおお...、とんでもなく嬉しいです！！ (2015年4月10日 22時) (
レス) id: b9de7aef37 (このIDを非表示/違反報告)
オーマイダティー - とんでもなく、面白かったです!! (2015年4月10日 22時) (レス) id: 69b5cf62fa (このIDを非表示/違反報告)
海姫(プロフ) - M-Aさん» ありがとうございます！続編に行くのでそこでもよろしくお願いしますね！！ (2014年11月3日 20時) (レス) id: ab7ccb80bb (このIDを非表示/違反報告)
M-A - わかりました！^_^ (2014年11月3日 17時) (レス) id: 520045c3f9 (このIDを非表示/違反報告)
海姫(プロフ) - M-Aさん» そんな！褒め過ぎですよ！！(照れまくり)もうすぐオリジナル始まるので、そっちも見てくださいね！ (2014年11月2日 22時) (レス) id: ab7ccb80bb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：海姫 | 作成日時：2014年9月30日 22時
