２８８度 ページ38
体が痛くて苦しかった。それでも、何か特別な優しさに包まれている気がしてナツは小さく目をあけた。
「………A…っ！？」
ナツは目を開けた瞬間ナツを庇うように抱きしめて倒れているAのオレンジ色の髪が目に入った。グッタリとしているAは気絶していた。
「Aっ！？お前何やってんだ！！その体で…俺を……」
足を見ると、魔封石がなくなっていた。
恐らくギリギリのところで壊せることができたのだろう。そして魔法を使いナツのところに飛び込んだらしい。
ナツを守るように抱きしめてくるAにナツは何故だか、涙が溢れそうになった。仲間のために何でもしてしまうAが怖くなったのだ。
「隕石にも相当する破壊力を持った魔法なんだがな……。よく体が残ったもんだ。まぁ、Aが庇ったからか。」
ジェラールは余裕そうな笑みを浮かべる。そしてボロボロになった楽園の塔を見て、急いでエルザの方に向かった。
コン…コロン…。
ふと、ジェラールの足元に何かが転がってくる。それは欠片。楽園の塔の魔水晶の破片だった。怪訝そうに欠片の転がってきた方を見る。
「ハァ…ハァ……、」
そこには息も絶え絶えで、それでも立ち上がろうとするナツがいた。隣ではAがぐったりとしていた。ナツは欠片を投げる。それがジェラールの靴に当たり転がる。
「へへ…当たったぞ、攻撃……。」
ナツはAを綺麗に寝かすと、ゆっくりと身体を起こす。ふらふらながらも立ち上がる。それを少し信じられなさそうにジェラールは見つめる。
「この塔…つーか水晶？壊されちゃまずいって訳か……、運が悪かったな！！」
ナツはそういうなり塔を力の限り殴りつけた。ジェラールは頬に冷や汗を浮かべ、怒りで身体を震わせている。
「壊すのは得意なんだ、妖精の尻尾の魔導師は。」
口元の血を拭い不敵に笑うナツ。ナツの瞳はまだ諦めていないのだ。
「燃えてきたぞ、今までで最高にだ！！」
ナツは炎を纏う。それにキレたジェラールも手に魔力を集める。Aはナツの荒々しく暖かな魔力で薄らと瞳を開ける。
「一瞬で終わらせてやる。立ち上がった事を後悔しながら地獄へ行け。」
「しぶとさには自信があるんだ。やれるもんならやってみやがれ。それになぁ、お前はAを傷つけた。俺はお前を絶対ェ許さねぇ！！」
「……なつ…」
Aは小さくナツの名前を呼んだ。
「来いやぁ！！」
ナツの声がAの胸に強く響いた。
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海姫(プロフ) - オーマイダティーさん» うおおお...、とんでもなく嬉しいです！！ (2015年4月10日 22時) (
レス) id: b9de7aef37 (このIDを非表示/違反報告)
オーマイダティー - とんでもなく、面白かったです!! (2015年4月10日 22時) (レス) id: 69b5cf62fa (このIDを非表示/違反報告)
海姫(プロフ) - M-Aさん» ありがとうございます！続編に行くのでそこでもよろしくお願いしますね！！ (2014年11月3日 20時) (レス) id: ab7ccb80bb (このIDを非表示/違反報告)
M-A - わかりました！^_^ (2014年11月3日 17時) (レス) id: 520045c3f9 (このIDを非表示/違反報告)
海姫(プロフ) - M-Aさん» そんな！褒め過ぎですよ！！(照れまくり)もうすぐオリジナル始まるので、そっちも見てくださいね！ (2014年11月2日 22時) (レス) id: ab7ccb80bb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：海姫 | 作成日時：2014年9月30日 22時
