《君に落ちる》 ページ8
「あ、えっと。よかったら後ろ乗ってください!」
高尾はリアカー部分を指さしながら彼女に言うと、一瞬困ったように笑うと「ありがとうございます。」といい、リアカーに乗った。
「あの…俺、秀徳高校1年の高尾和成って言うんですけど、名前聞いてもいいっすか?」
チャリアカーを漕ぎながら問い掛けると「もちろん。」と言う彼女の綺麗な声が聞こえた。
「海常高校1年の夕凪Aよ。よろしく、高尾さん。」
「え!?タメ!?」
意外過ぎる答えに高尾は思わず後ろを見た。すると「そんなに驚くこと?」と肩を竦めて高尾を見た。彼女は前を数回指差したため、前を向く。
「いや、なんか大人っぽい雰囲気出てたからさ。」
「高尾さんは若いって感じしてたから同学年かな?って思ってたけど。」
「ブハッ!わ、若いって感じ?」
「うん。だってリアカー引いた自転車乗ってるのよ?」
「あ〜、確かに。」
高尾が笑いながら頷くと後ろから「高尾さんは、笑いのツボが浅いのね。」と少し笑った柔らかな声が聞こえた。
「思ったんだけど、高尾さんなんて畏まんなくていーよ?もっと和成♪的な感じで軽く呼んでよ!」
「そう?じゃあ…」
和くん、
高尾は不意に聞こえた台詞に顔が熱くなるのを感じた。何故熱くなったのかは分からない。ただ、彼女の台詞が恥ずかしくて、でもとても嬉しいということは分かった。ドキドキと胸が強く打つ。どうしよう。どうしたらいいのだろうか。高尾は信号でとりあえず停り、パニック状態に陥った。とりあえず、返事をしなくては。
「う、うん!和くんって呼んで!俺もAちゃん、って呼んでいい?」
高尾は後ろを振り返る。すると彼女は目を丸くして直ぐに柔らかく微笑んだ。
「もちろん。」
あぁ、きっと。彼女にこれ以上関わったら、もっと深く落ちていくなぁ。
高尾は脳裏でそんなことを思った。
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藤織 藍沙(プロフ) - すっごく面白いです!更新頑張って下さいね! (2015年7月31日 8時) (レス) id: dd65d1f829 (このIDを非表示/違反報告)
舞香(プロフ) - 更新、頑張ってください!まだかまだかと楽しみにしています!笑応援してます! (2015年6月22日 0時) (レス) id: 8017bac195 (このIDを非表示/違反報告)
海姫(プロフ) - ハートの時計さん» コメントありがとうございます! これからも頑張っていきますので、宜しくおねがいします! (2015年4月9日 6時) (レス) id: b9de7aef37 (このIDを非表示/違反報告)
ハートの時計(プロフ) - 面白いですね(⌒▽⌒) 頑張ってください (2015年4月9日 0時) (レス) id: 2c10ee03cd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:海姫 | 作成日時:2015年2月27日 17時