《素直な気持ちで》 ページ17
その頃Aは、武内の元へ向かい図書室の鍵を貰いに行った。
「失礼します。1年の夕凪Aです。武内先生はいらっしゃいますか? 」
「ここだ。」
Aにヒラリと手を挙げて存在を示す。そんなことしなくても、十分に場所は分かるけどね。なんて思ったがAは持ち前のポーカーフェイスで隠してみせた。
「休日にわざわざすまんな。」
「いえ、」
そう言うと武内から図書室の鍵を受け取る。その時、武内から「ん?」という小さな声が聞こえてAは首を傾げた。すると武内はAの膝を指さして「膝、擦りむいてるぞ。」と言った。自身の膝を見てみると両足に赤い血が垂れているのに気が付いた。すると「ちょうどカットバンと消毒液があるからもっていけ。」と言われカットバンと消毒液を渡された。今まで武内にあまりいいイメージがなかったため少し驚いた。
「あ、ありがとうございます。」
「気にするな。」
猛烈に恩返しがしたいと思い、なんとなく見た机の上に、バスケコートの書かれた資料を見つけた。少しだけ悩んだが「これ、拝見しても?」と聞く。すると、少し間があったが了承の声が聞こえた。
Aは資料に目を通す。それは今日行われた誠凛との練習試合のミーティング内容や、反省点が事細かに書かれていた。
「なるほど…、」
「なんだ夕凪。お前バスケ経験者か? 」
その質問にAはニッコリと笑った。そして「少し独り言を言ってもいいですか? 」と言う。武内は「かまわん、」とAの資料をのぞき込む。
「海常レギュラーの能力はだいたい分かりました。個人の戦力も申し分無い、やはり素晴らしいですね。強豪校なだけあります。」
Aは資料の片隅に書かれた"個人の戦力アップ"の文字を指差して「私の知ってる知識でいい案があります。」と告げる。
「まず、1or1とピポットの練習を重点的に行います。そして、練習中にマスクをしてみてください。」
「マスク?」
「はい。短い運動でも肺活量も上がりますし、体力は付きますよ。」
Aはニッコリと笑うと資料を武内に渡す。そして「私の独り言はこれにて以上です。長い間失礼しました。図書室へ行ってきます。」と軽くお辞儀をした。
「いや、俺こそありがとな。」
「カットバンと消毒液のお礼です。借りは作らない主義なので。それに、」
Aは目を軽く伏せ、綺麗に微笑んた。
「旧友と幼馴染みの名前も見つけましたし。」
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藤織 藍沙(プロフ) - すっごく面白いです!更新頑張って下さいね! (2015年7月31日 8時) (レス) id: dd65d1f829 (このIDを非表示/違反報告)
舞香(プロフ) - 更新、頑張ってください!まだかまだかと楽しみにしています!笑応援してます! (2015年6月22日 0時) (レス) id: 8017bac195 (このIDを非表示/違反報告)
海姫(プロフ) - ハートの時計さん» コメントありがとうございます! これからも頑張っていきますので、宜しくおねがいします! (2015年4月9日 6時) (レス) id: b9de7aef37 (このIDを非表示/違反報告)
ハートの時計(プロフ) - 面白いですね(⌒▽⌒) 頑張ってください (2015年4月9日 0時) (レス) id: 2c10ee03cd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:海姫 | 作成日時:2015年2月27日 17時