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《君の前では上手くいかない》 ページ15

Aは黄瀬と緑間と一緒に高尾の元へ戻って鞄を取りに行っていた。門の前まで戻ってみると、酷く心配した顔をしている高尾が、チャリアカーの前を忙しなくウロウロしていた。
Aはそんな高尾に「和くん。」と名前を呼んだ。するとどんな反射神経だ、と思うぐらいすぐに勢いよくバッと高尾は顔を上げた。


「心配かけたわね。」

「え? あ…えっと……、Aちゃん? 」

「え?」


高尾は顔を真っ赤にして、口をポカーンと開けてAを凝視していた。Aはその質問の意味が分からず、首を傾げる。するとトンッと肩に重みがかかり顔を上げる。そこには緑間が眼鏡のブリッチを指で押し上げていた。


「A。眼鏡と髪を纏めていないのだよ。だから、高尾は動揺しているのだ。」

「あ、そういえば。」

「やっぱAちゃんなんだ!」


高尾は焦ったように数歩下がる。何故下がったのか分からずAはまた首を傾げる。隣では黄瀬が、困ったように苦笑いしていた。


「す、ずっげぇ美人! 俺めっちゃ驚いたんだけど…!」


つか、顔が熱い! と騒ぐ高尾にAは苦笑いして「和くんって、本当に面白いわね。」と微笑んだ。すると高尾はさらに顔を赤くして動揺する。黄瀬は困ったように笑い、緑間は不機嫌そうにそれを見ていた。
Aはチャリアカーに近寄ると自分の鞄を取り肩にかける。そして3人にパッと手を挙げた。


「じゃ、またね。」


手短にそう言い、その場を去ろうとするA。
一瞬唖然とした黄瀬達は焦って「A!」と声をあげ、呼び止めた。すると「なに?」とAは不機嫌そうに振り返る。


「なに、じゃないっスよ! せっかくの再会で、そんなAを安々帰すわけないでしょ! 」

「黄瀬の言う通りだ、A。」

「涼太、緑間。名残惜しいのは分かるけど、委員会の仕事があるの。」


黄瀬の反論はAによって、ヒラリと往なされてしまった。そしてくるりと振り返り黄瀬と緑間に向き直る。


「ついて来たら、また逃げるから。海常辞めてでも本気で逃げるから。」


念入りに釘をさして「じゃ、」と言いその場を去ろうとAは振り返った。

《なぞる記憶》→←《忘れぬ為に刻んだ傷》


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設定タグ:黒子のバスケ , キセキの世代 , 海常   
作品ジャンル:アニメ
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藤織 藍沙(プロフ) - すっごく面白いです!更新頑張って下さいね! (2015年7月31日 8時) (レス) id: dd65d1f829 (このIDを非表示/違反報告)
舞香(プロフ) - 更新、頑張ってください!まだかまだかと楽しみにしています!笑応援してます! (2015年6月22日 0時) (レス) id: 8017bac195 (このIDを非表示/違反報告)
海姫(プロフ) - ハートの時計さん» コメントありがとうございます! これからも頑張っていきますので、宜しくおねがいします! (2015年4月9日 6時) (レス) id: b9de7aef37 (このIDを非表示/違反報告)
ハートの時計(プロフ) - 面白いですね(⌒▽⌒) 頑張ってください (2015年4月9日 0時) (レス) id: 2c10ee03cd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:海姫 | 作成日時:2015年2月27日 17時

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