《忘れぬ為に刻んだ傷》 ページ14
数秒の間、頭でいろいろ考えたがこれ以上腕を掴んでいても何にもならない。そう思い、そっと手を離した。二人が握っていた手首は赤く痣になっていた。そんなに強く握ったつもりはなかったが、くっきりと残った赤い痣に顔を歪める。Aの肌が白い分、痛々しかった。
「赤くなっちゃったスね、ごめん。」
「すまないA。」
「嫌よ。」
Aは腕を組み、二人からプイッと顔を背けた。黒と蜜柑色の髪がフワリと宙に舞う。シャンプーのいい匂いが鼻腔を掠めた。
「でも、どうせすぐに治るし別にいいわ。許さないけど。」
「はは、どっちなんスか。」
「相変わらずだな。A。」
Aは腕を組んだまま、二人を見てニンマリと笑った。そして「あーぁ。にしても、バレちゃったかー。」と呟いて空を仰いだ。
「海常に通ってる時点で、俺にバレるのも時間の問題だったと思うけど。」
「さあ? そうかしら。頑張って変装だってしてるんだから、気がつかないと思ったけど。」
Aはそう呟くと歩いた道を逆戻りし始めた。黄瀬と緑間は「どこに行くのだよ、」と声を掛ける。するとAは「和くんのとこ、カバンおいてきちゃったし。」と答えた。いつのにか高尾と慣れ親しんでいることに顔を歪めたが、Aの側にいれば一々嫉妬していると身が持たない、ということを二人は既に知っていた。
「まったく。変わらないのだよ、Aは。」
「そうっスね。でも、会えて本当によかった。」
「そうだな。」
凛とした後ろ姿を黄瀬と緑間は愛おしそうに見つめていた。
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藤織 藍沙(プロフ) - すっごく面白いです!更新頑張って下さいね! (2015年7月31日 8時) (レス) id: dd65d1f829 (このIDを非表示/違反報告)
舞香(プロフ) - 更新、頑張ってください!まだかまだかと楽しみにしています!笑応援してます! (2015年6月22日 0時) (レス) id: 8017bac195 (このIDを非表示/違反報告)
海姫(プロフ) - ハートの時計さん» コメントありがとうございます! これからも頑張っていきますので、宜しくおねがいします! (2015年4月9日 6時) (レス) id: b9de7aef37 (このIDを非表示/違反報告)
ハートの時計(プロフ) - 面白いですね(⌒▽⌒) 頑張ってください (2015年4月9日 0時) (レス) id: 2c10ee03cd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:海姫 | 作成日時:2015年2月27日 17時