『黒子のバスケ』通行人少女Ｘの憂鬱『トリップ』

夢じゃなかった ページ40

目覚まし時計の大きな音で目を覚ました


今日は土曜日、学校は休みだが・・・どうやら目覚まし時計をセットしたままだったらしい


今までのことは夢だったのかと思い、顔を洗おうと立ったところで―――



『っう・・・！』



自分のワンピースを染め上げている、赤黒いナニカに気が付いた


やはり、あれは夢じゃなかったらしい


今日が休みでよかった


でも、明後日学校に行くのが少しばかり憂鬱だった


とりあえず、このワンピースは捨てよう


〜そのころ〜赤司side〜


変な浮遊感で目をさまし、ムクリと起き上がるとそこは自室だった


おかしいな・・・昨日、部室で(桃井のクッキーを食べたせいで)倒れてからの記憶がない


眠気覚ましに顔を洗いに行こうと思い左手を床につけて立ち上がろうとしたら



赤司「いっ・・・！」



手のひらから、血が出ていた


その血を見た瞬間、全て思い出した



見覚えのない家


コロサレタ少女


狂い死んだ男


虚ろな瞳をした一之瀬


思い出した直後、何とも言えない寒気が僕を襲った


こんな感覚・・・初めてだ


あれはなんだったのだろうか


夢・・・では、ない


夢だったら手のひらを怪我しているはずない


ではなんだったのだろうか・・・


月曜日、一之瀬を捕まえて問いただしてみよう


なにやら意味深なことを言っていたしな


‘‘お父さんもころしちゃったのか’’


あの男が父親？だが、あれは自分で死んでいただろう


それに、‘‘も’’というのも気になる


一之瀬は過去に誰かをころしていたのだろうか・・・？


謎は、深まるばかりだな


面白い・・・





僕は、無意識のうちに口角を上げていた

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