『黒子のバスケ』通行人少女Ｘの憂鬱『トリップ』

仮説 ページ33

連れて行かれた場所は保健室だった


緑間「ほら、首を左に傾けろ」


ちなみにさっき鋏で傷つけた場所は首の右側だ


５分ほど無言で、治療し治療されをした後、緑間は不意にしゃべりだした


緑間「本題に入る前に二つ聞く



一つ目は・・・２度目の人生、とはなんなのだよ？」


やはり、聞かれていたか・・・小さい声でも声に出していた時点で私の失態だった


『・・・言っても信じてくれないよ』


そういって目を逸らした


・・・そう、きっと信じて貰えない


今の両親と和成は信じてくれたけど、他の人も信じてくれるかは分からない


何を言ってるんだ、頭は大丈夫か？と、心配されるのがオチだ


緑間「そうか・・・じゃぁ、二つ目だ


お前は、本当に中学一年生の人間か？」


普通の人間なら、この質問の意味は分からないだろうけれど私にはわかった


緑間が言ってるのは身体年齢ではない、精神年齢のことだ


『・・・じゃなかったら、なんだというの？化け物？そんなわけないでしょ』


目を見てそういったら、緑間は顎に手を当てて考え始めた


緑間「・・・俺は一つだけ、仮説を立てている

その仮説が正しければ、お前が大人っぽいことも、難しい言葉を知ってることも、人間嫌いのことも・・・

そして、痛みをものともしない振る舞いも、すべて納得がいく


だが、それはあまりにも非現実的だ


聞くだけ聞いてくれないか？」


その言葉に私は、好きにすれば、と一言だけ返した


緑間「そうか。だがあくまで仮説だからな、間違っていたら笑ってくれて構わない


お前は・・・前世の記憶を持っているのではないか？


そして、前世で周りの人間に酷いことをされたのではないか？


だとしたら、全て説明がつくのだよ」


・・・まさか、自分で答えにいきつくとは思わなかった


『・・・・・・・・・・正解だよ、おめでとう。まさか分かるとは思わなかったよ』


緑間「そうか・・・では、本題に入ろう


男バスのマネジになってくれ」



・・・結局それかよ！！！


『いやだよ・・・っていうか、あんたで３人目だし』


緑間「そうか。では・・・お前の正体をこの学校中にバラすか・・・シルバー」


『そんなことをしたらさつき特製のクッキーを無理やり食べさせてあげるけどいいかな？』


緑間「――――ック・・・！！！」


形勢逆転、とはまさにこのことだろう


というより、桃井ちゃんのクッキー食べたんだ・・・

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