『黒子のバスケ』通行人少女Ｘの憂鬱『トリップ』

認めた者だけだ ページ31

名前も知らない(っていうか覚えてない)女達から視線を外して桃井ちゃんに目線をやると、今にも泣きそうな顔をしていた


えっとー、一之瀬さんの下の名前なんだっけ？Aでしょ？


と、さっきの女たちが今度は私を話題に、盛り上がり始めた


女１「Aちゃーん、桃井さんから早く離れなーｗｗｗ」


女２「そーそーｗｗ汚れちゃうよーｗｗｗ」


こういうとき、つくづく女というのは怖いと思う


『・・・人権を無視し、群がることでしか意見を言えない愚かな君たちに言葉を贈ろう


私の名を呼んでいいのは私が認めた者だけだ


そして、私が無感情以外の感情をあらわにするのも私が認めた者だけだ


下も下、それも劣悪で愚劣極まりない君たちに私の名前を呼ばれたくはない


だが、そのことに対して怒るという君たちに露わにする感情をあいにく私は持ち合わせていない


だから、怒りの代わりにささやかな復讐を贈ろう』



一度言葉を切り周りを見回すと、全員あっけにとられた顔をしていた


それもそのはずだろう、いつも無口な私がこんなに饒舌なのだから


『そこの５人は以前もさつきをいじめていただろう？実はな、そのときさつきにはボイスレコーダーを持たせていたんだ


ちなみに呼び出し場所である校舎裏の木の上・・・そこにはカメラを設置しておいた


これを教師に見せたらどうなる・・・？


カッターで人を傷つけているところなんて・・・うん、考えるだけで面白そうだ


まぁ、いくら証拠を手に入れるためだとはいえさつきには無理をさせすぎたかな


そこは反省しているよ


だけど、これで君たちはチェックメイト、終わりだよ


さようなら、教室の隅にいる高橋さんの小学校時代の二の舞になるといい


しかも今は中学生だからねぇ・・・高校に行けるのかな？


あぁ、ようやく名前を思い出したよ


井上芹菜さん、藤堂明菜さん、豊口萌さん、福田新菜さん・・そして、小学校時代にも似たようなことをしたね？



・・・主犯の、斎藤未奈さん・・・？


貴方は二回目だからねぇ、将来はほとんどないと考えて貰って結構



そうだ、最後にもうひとつ、言葉を贈ろう




おとなしい奴はたいてい裏があるんだよ、舐めないことだね』



ゆっくりゆっくり近づいて、５人の前でとまり、見下ろした



平均よりはるかに高い私の身長では５人を見下ろすことはたやすかった



『Penitenziagite！








・・・シネ』


次の日、５人は学校からいなくなった

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