だから、嫌いなんだよ。～彼がついた二つの嘘～Ⅱ～SJ～ (ページ4)

今日:2 hit、昨日:0 hit、合計:43,037 hit

いらつきページ4

教室の後ろのドアを開け、中に入る。
いつも通り、一番前の席には人が群がっていて、中心部にいるのもいつも通り同じ人。
・・・・チョ・キュヒョン。
周りが凄くうるさくて、私が教室のドアを開けた音なんて、誰も気づいていない。
キュヒョンのグループを一睨みし、私は、バンッっ！と少し大きな音を立てて
カバンを置いた。
その音で気づいたのか、
「Aおはよう！」

キュヒョンくんが笑顔で声をかけてきた。

いつもと同じ笑顔。
いつもと同じ口調。
昨日まで、教室にいた彼と、何も変わりない。
その声を無視し、私は椅子に座って、カバンから教材を取り出す。

「ちょっとぉー、シカとするとかマジ何様？って感じなんですけどー？」

顔を伏せた私の耳に届くのは、そう、私に援助交際を仕向けた
キム・ユリ。
わざとこちらに聞こえるように言っているのは、顔を伏せてもよくわかった。

・・・・うるさい。

「理事長の娘ってそんなに偉いんですかぁ？」
「きゃはは！！聞こえるから！」

わざと聞かせてるくせに。

・・・・うるさい

私は無視して、参考書を開く。

「勉強が友達って感じ？でもいつもキュヒョンに負けてるよねー」

うるさい。
うるさい！うるさい！！

「キュヒョンが話しかけなきゃ誰にも声なんてかけてもらえないくせに」

その時。

―ガッターンッ！

・・・・・・・・