だから、嫌いなんだよ。～彼がついた二つの嘘～Ⅱ～SJ～ (ページ3)

今日:1 hit、昨日:0 hit、合計:43,063 hit

投げられた言葉ページ3

学校に着き、自分の教室が近づいてくるにつれ、だんだん、歩く速度も
遅くなる。

やだ。行きたくない

あんな奴、顔も見たくない。
私無意識の内に廊下で立ち止まってしまい、うつむき、唇をかんだ。

「何やってるんだA」

背後から投げかけられた声に、反射的に背筋が伸びた。
そこには、父の姿。学園の理事長。

「お・・父様・・・・・」

思わず体がこわばる。

「早く教室に入りなさい。お前が遅刻などもってのほかだ。許されないんだからな？。」

「はい・・・」

業務連絡のような言葉だけを残し、父は私の横をすり抜けて去って行った。

私が遅刻するなんて許されない。
それは、理事長の娘だから。
ねぇ、言いたいことはそれだけ？
私たち、昨日学校で話して以来、今やっと顔を合わせたんだよ。
あんな大きな家に一人残して、心配じゃないの？
何してたのって聞かないの？
娘のこと、気にならないの？

私…一番にならなきゃ、ずっと一人のまま？

本当に・・・父親の娘なのかな・・・・。