転生228 ページ39
戦闘が終わり、皆で先輩達の前に集まる。
皆、私と轟くん以外、ゲロォっとしていた。
「とまァー こんな感じなんだよね！」
反対に、通形先輩は元気そうだ。
こういうところでも差を見せつけてくるよね、この人は。
「俺の“個性”強かった？」
その問いに、瀬呂くん、透ちゃん、みなちゃんが食いぎみで答える。
「強すぎっス！」
「ずるいや 私の事考えて！」
「すり抜けるしワープだし！
轟みたいなハイブリッドですか!?」
そうじゃないんだよなぁ。
３人の質問を聞いて、そう思った。
通形先輩の個性は、扱いづらいし、戦闘に生かすのも難しい。
それでも通形先輩が強いのは、膨大な量の努力があったからだろう。
私は資料で見ただけだけど、それだけでも、通形先輩の努力の大きさはわかった。
「私 知ってるよ“個性”
ねえねえ言ってい？言ってい!?トーカ」
はーい、と手をあげながら波動先輩が発言する。
それを、後ろを向いた天喰先輩が静かに注意した。
「波動さん 今はミリオの時間だ」
その言葉で、波動先輩はムスッとして通形先輩の袖を引っ張っている。
通形先輩は、自分の個性を紹介する合間に、波動先輩に謝るという技を見せていた。
そして、ワープの原理を説明し始める。
チラッと見えたけど、いずは手メモという面白いことをしていた。
手にはメモできないのに、どうやって覚えるんだろう？
純粋に疑問に思うけど、今は聞けるような状態じゃないので控えておく。
通形先輩の個性を簡単に、箇条書きにまとめると、こんな感じだ。
٠全身に使うと、地面も含むあらゆるものを通り抜ける。
٠地面に落ち、地面の中で個性を解除すると弾かれ、外に飛び出る。
٠体の向きやポーズで角度を調節できる。
説明を聞くとみなちゃんは、「ゲームのバグみたい」と言った。
「イーエテミョー!!」
笑いながら通形先輩はそう言っている。
梅雨ちゃんは「やっぱりとても強い“個性”」と通形先輩の個性を評した。
その言葉にたいして通形先輩は、
「いいや 強い“個性”に
そう、答えた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 36人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：鈴蘭 | 作成日時：2018年4月1日 19時
