転生229 ページ40
強い個性にした
その通形先輩の言葉には、重みが感じられた。
個性の説明聞いたみんなは、改めてその個性の扱いづらさを理解したようだ。
「この“個性”で上を行くには遅れだけはとっちゃダメだった!!
予測!!周囲よりも早く!!時に欺く!!何より『予測』が必要だった
そしてその予測を可能にするのは経験！
経験則から予測を立てる！」
自分の頭を指しながら、通形先輩はそう言った。
これが、今回の手合わせの理由。
言葉よりも“経験”で伝えたかったということだ。
インターンでは私たちは「お客」じゃない。
サイドキックとして行動する。それを念頭におかないといけない。
「俺はインターンで得た経験を力に変えてトップを掴んだ！
ので！恐くてもやるべきだと思うよ１年生!!」
努力でトップを掴んだ人。
通形先輩の話はみんなのためになったんじゃないだろうか？
「ありがとうございました!!」
最後にお礼を言って、私たちは教室に戻った。
その日の寮は、今日のインターンの話で持ちきりだ。
後ろでかっちゃんが「ゴミあるなら持ってこいやああああああ」と叫んでいるけど、
無視してソファで会話をしている。
私はその和には加わらず、早めに部屋に戻らせてもらう。
だって今日は、死柄木さんに呼ばれている日だからだ。
普通に寮から出ていったら、不審がられる。
だから私は、自分の部屋の窓から外に出ようと思う。
雄英の敷地全部の時間を止められたら楽なんだけど、さすがに範囲が大きすぎる。
だから窓から出て、暗闇に同化しながら進むのが堅実だと思う。
部屋に鍵をかけ、窓を開ける。
筋力増加させた足で地面に着地すると、気配を消し、急ぎ足で移動する。
スーパーマーケットにつくと、ミスターが手を振って近付いてきた。
「じゃあ行こうか 球体にするけど、我慢してね」
そう言われて、死柄木さんがミスターを私の迎えに指名した理由がわかった気がする。
つまり、私は迷う可能性があるから迎えが必要。
けど、二人での行動は目立ちやすい。
ミスターの個性なら、球体にすることで、運ぶことができる。
ミスターに球体にされる前に、私はそんなことを考えていた。
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作者名：鈴蘭 | 作成日時：2018年4月1日 19時
