バスケをやめた俺は。[男主]

5 貴方side ページ5

「お前、バットの方は本当に初心者だな」


ボールが飛んでくる機械。ピッチングマシーンって言うんだっけ？

それを今やっている


『そりゃあ、まぁ、そうでしょうね。初心者ですから』


バットってこんなに重いんだ。
それに、ボールにあてるのが難しい。


「やっぱりお前、この部活きびしいんじゃねーの？」


ぷくく、とか言いながら笑う先輩。
バカにされてるのはわかるけど、わかってないですね、先輩。


『いいんですよ、それで。そっちの方が楽しい』


すぐに上手くなりすぎたらつまらないじゃないか。
バスケの時みたいになるの嫌だし。


「ぷくく、お前ほんと変わってんな」

『先輩に言われたくないです』

「どーゆー意味だコラ」

『暴力へんた...はんたーい！！』






,






時間がたってしまったので、先輩と寮に戻る。



「藍沢、これから辛いだろうけど頑張れよ」

『はい...？』


こんな突拍子もない言葉。どう反応するべきか。

俺が返事に困っているのを知ってか知らぬか、ニッっと笑う先輩。



明日から部活が始まる。
こんなに楽しみなのはいつ以来だろうか。

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