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「まぁ、火神くんが勝てないわけよ、彼は消えたキセキなんだから」
「消えたキセキ?」
『え、待って、何それ』
聞いたことのない言葉にAの方が驚く。
それに比べ、火神はよくわかってない様子だ。
キセキという言葉には目を輝かせているが...
「藍沢くん、そうやって呼ばれているんですよ、自分のことなのに知らなかったんですか?」
『.......うっそ.......知らなかった』
「なぁ!その消えたキセキってなんだよ!」
空気の読めない火神の言葉をリコが引き取る。
「消えたキセキとは、彼がそう呼ばれているのよ。キセキの世代の中で唯一高校でバスケ界にいない、バスケ界から消えたってね」
『なんか嫌だなぁそれ...』
苦い顔をしたA。
確かにその名前はあまりいい意味を持っていない。
「てかおいおい、今バスケやってないでそれかよ...」
『お前もジャンプ凄かったよ。さすが黒子の光だ』
「勝ったやつに言われても嬉しくねぇ」
『それもそうか』
笑顔のA。
その笑顔は何だか嘘っぽい。
「ねぇねぇ、藍沢くん!うちのバスケ部入んない?!君なら半年分の遅れなんて」
リコが勢いよく彼に近づく。
その時、Aの目が微かに揺れた。
『いや、悪いけど俺はバスケはもうしないつもりなんで...』
「...そっか〜」
『でも、これから一週間、毎日来てもいいですか?』
矛盾しているのはわかってる。
わがままだって言うのもわかってる。
でも彼は、どうにかして自分の過去と蹴りをつけたいのだ。
「大歓迎よ!」
(嬉しい反面、複雑な気持ちだな。本当は、歓迎されるべきでは無いのに。)
そんなこんなでAは
学校が終わったらここに通うようになった。
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トリ - 蜜甘さん» ありがとうございます。更新頑張ります! (2014年11月6日 5時) (レス) id: 19e2cf9ec9 (このIDを非表示/違反報告)
トリ - スズさん» あ、それは嬉しい。ほんとに。ありがとうございます。ほんとに。 (2014年11月6日 5時) (レス) id: 19e2cf9ec9 (このIDを非表示/違反報告)
トリ - 翔織さん» ありがとうございます!これからもそう言ってもらえるよう頑張ります! (2014年11月6日 5時) (レス) id: 19e2cf9ec9 (このIDを非表示/違反報告)
蜜甘 - とてもおもしろいですこれからも更新頑張ってください! (2014年11月5日 18時) (レス) id: 6a4a3a7dce (このIDを非表示/違反報告)
スズ - すごく面白いです!今一番はまってます!!更新頑張ってください!!! (2014年11月5日 16時) (レス) id: 90f76f9e5d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:トリ x他1人 | 作成日時:2014年9月30日 4時