バスケをやめた俺は。[男主]

36 ページ36

リコside



体育館の入り口から女子の黄色い声が聞こえて
また黄瀬くん？とか思って目を向けると


藍色の髪の男の子が立っていた。


黄瀬くんじゃなかったけど、
あのギャラリーは邪魔以外の何でもないから、注意しようと思って近づく。





近づいているうちに、私の目に写る

「っ?!...」

とんでもない数値。
服の上からでも充分わかる。





体が勝手に動いた。
気づいたら彼のシャツをまくりあげていた。

『おっと...』



女子のキャーという声が上がる。




「カントク、何やってんだ！？」


遠くから叫ばれた日向くんの声で気がついたが
その時は、もう遅かった。

(やってしまった...)



彼の顔をうかがうと、
等の本人も少し驚いた様子だ。

でも全然気にした様子もなく、



『少し、見学しててもいいですか？』

「え？」


自分のシャツをしまいながら言う彼。



け、見学？


こんな数値の人だし、
どっかの強豪高の生徒だったり。



『ん？偵察とかじゃないですよ』

「......」


ふふっ、と笑う彼に
見透かされたようで少し悔しい 。


「あなたねぇ、






「お久しぶりです、藍沢くん」

37 貴方side→←35

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す