バスケをやめた俺は。[男主]

17 御幸side ページ17

御幸side

『先輩、今、俺のことなめてましたよね？普段の先輩なら俺のあんなボール屁でもないでしょう？』

怒ってる、確実に怒ってる。

「え、あ、いやー」


確かに、俺のとれないボールじゃなかった。沢村のボールの方が取りづらい。

だけどこんなに成長してると思わねぇだろ普通？！才能あるつっても、ついこの間まで初心者だったやつだぞ！！


『(なんだよ、ミッドに入る気持ちいい音、期待していたのに。)』

『まぁ、でも、自分が成長できたってわかったんで良かったです。あ、集合しなきゃ』



もう試合を始めるらしい。
藍沢は走っていった。

そして整列をする１年２年３年。
っておい、沢村、入れなくていいのかよ。
かわいそうに。
とか思いながらニヤニヤする自分。
呼びにいってなんかやんねー。


「おっ？」


藍沢が監督に頭を下げてこっちへ向かってきた。


『先輩！沢村君は？！』

「え、戻ってきてないけど」


どうやら沢村のために戻ってきたらしい。
自分が監督に頭を下げてまで。

監督を見ると、サングラスをしているから分かりにくいが、怒ってる気がする。


『たくっあいつは！！先輩こっちをお願いしま......いた！』

「は？！」


急に後ろを向いて走り出す藍沢

おいおい、お前、今、俺の方を向いていたじゃねーか。
沢村はお前の目線とは反対側にいたぞ。
何で見つけてんだ。



二人でかけてくる姿が見える。
少し混乱していた俺の頭が正常に動き出す。


「ククク、こいつはすげぇわ！」

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