14 貴方side ページ14
「なんだ?お前、だいぶ食えるようになったじゃねーか!初日は吐いていたくせに」
「るっせ!!」
そんなやり取りが聞こえてくる。沢村くんと御幸先輩だ。
しかし、今食堂はとても静かである。彼ら以外、誰一人として喋っていない。
理由は、明日1年対2.3年で試合をするから。
俺は別にその事に関して何も思ってはいないけど、この空気の中は、いくら俺でも喋れないよ、うん。喋ってくれる人もいないしさ。
−―−−
やってしまった。
最悪だ。
一日の疲れを癒そうと、ルンルンな気分で風呂場のドアを開けた俺を待っていたのは、
グラサンと沢村っちでした。
俺は、なんてタイミングで来てしまったんだあああああ!!
『ちあっす。失礼します』
とりあえず体を洗わなければ...
湯槽につかっているお二方が何か話している。
いや、てっきり二人とも黙っているもんだと思ってました。
「お前、一度も試合を見に来ていないようだな...どうしてだ?」
あ、たしかに。
今気づいた。
沢村君が試合を見に来ていないこと。
「いいから理由をいえ」
あ、別に聞き耳をたてている訳じゃないよ?聞こえちゃっているだけだよ!
「じ、自分以外の誰かがマウンドに立っている姿なんてみたくねーっスから」
「!!.......」
『......ははは』
いいね、そーいうの。
「お前はどうなんだ?藍沢」
『?!』
え?、なんでこっちに振るの?
せっかく体を洗ったのに汗だらっだらだよ!
俺は、試合見に行ってるじゃん!何?お前はどうなんだ?って何?
「お前は、明日の試合をどう思っている」
『あ、明日の試合ですか?』
「ああ。...嫌か?先輩たちとたたかうのは」
『え、そんなこと...』
やっべぇ、特にこれといって思うことねぇんだけど!何も考えてねぇわ!
あ、でも、
『相手が強い試合って凄く楽しみです』
「!!.......」
帝光中、最後の試合
得点を111と並べたあの試合。
あんなことはしてはいけなかった。反省はしている。だけど、そうやってしまうほどつまらない試合だった。
こっちが本気でプレーをすればするほど相手はどんどん足を止めていく。
そんな試合をどう楽しめばいい?
明日、俺は実力の低い立場にいる。
それでも、一生懸命プレーをしなければ、相手に失礼だろう。
『あとは、楽しみたい、ですかね。これが一番です』
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トリ - 蜜甘さん» ありがとうございます。更新頑張ります! (2014年11月6日 5時) (レス) id: 19e2cf9ec9 (このIDを非表示/違反報告)
トリ - スズさん» あ、それは嬉しい。ほんとに。ありがとうございます。ほんとに。 (2014年11月6日 5時) (レス) id: 19e2cf9ec9 (このIDを非表示/違反報告)
トリ - 翔織さん» ありがとうございます!これからもそう言ってもらえるよう頑張ります! (2014年11月6日 5時) (レス) id: 19e2cf9ec9 (このIDを非表示/違反報告)
蜜甘 - とてもおもしろいですこれからも更新頑張ってください! (2014年11月5日 18時) (レス) id: 6a4a3a7dce (このIDを非表示/違反報告)
スズ - すごく面白いです!今一番はまってます!!更新頑張ってください!!! (2014年11月5日 16時) (レス) id: 90f76f9e5d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:トリ x他1人 | 作成日時:2014年9月30日 4時