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痛む訳ないでしょ。こんな女から生まれる子供なんて、愛せる訳がない。
「 ショッピがお世話になりましたー。 」
体調不良を名乗ったの、忘れてた。普通に上履きで走っちゃった。まあ、良いか。あんな奴は相手にしない方が良い。
また、口の中で噛み砕く。何だっけ。何て言うつもりなんだっけ。言葉ってラムネみたい。良くも悪くも後味が強烈。
「 妾の子って何？ 」
屋上に続く階段でショッピは項垂れていた。貞子かと思ったじゃんか。止めて。怖い。
「 へー、ショッピでも知らない事ってあるんだ。 」
「 分からへんから、教えて。 」
「 結婚をしていない男女の間に生まれた子。渋沢栄一は女遊びが激しかったから、妾の子が山程居たの。 」
「 それが、あの人に何の関係があるの？ 」
「 知らない振り、あ、いや。これは口が滑りに滑って。関田のお腹の中の子って、ショッピとの子じゃないの？ 」
ショッピはずっと項垂れたまま、何もリアクションをしない。何か言えよ。それも無理か。
「 誰にも言わないで。 」
あの時は大雨の中だったから、ぐちゃぐちゃに聞こえたその台詞も、沈黙の世界でならクリアに聞こえた。
「 言うわけないじゃん。 」
ショッピの重たい前髪から覗く、その窮屈そうな瞳。顔を持ち上げ、頬っぺたをぎゅうと指で挟んだ。可愛いじゃん。
「 " 人を選ぶ時、家族を大切にしている人は間違いない。仁者に敵なし。私は人を使う時には、知恵の多い人より人情に厚い人を選んで採用している。 "これ、渋沢栄一の言葉。 」
ショッピの前髪を掻き分け、そっとキスをした。
「 家族を大事に出来ない人は、あんたの事も大事に出来ないんじゃない？ 」
何も私は間違った事は言っていない。それなのに、傷付いた顔をするショッピが、不思議で仕方なかった。
「 私は大事に出来るけどね、ショッピの事。 」
何で泣いているの？どうして、私を睨み付けるの？誰にも言ってないよ。誰にも話してないよ。私は何も、ショッピとの約束を破ってないよ。
「 そっか、ショッピは賢い女が好きなんだ。 」
自分に優しい言葉をくれる、
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紗枝(プロフ) - ちびさん» こんばんわ。温かいコメント有難う御座います。本当に嬉しいです☺ " はくしき "とても思い入れのある作品です。そんな風に言って下さって、光栄に思います。これからも度々、覗きに来てくれると嬉しいです💐 (5月30日 3時) (
レス) id: ed8861063f (このIDを非表示/違反報告)
ちび - この短編集から貴方様の事を知りました。とても文が好きで文字の使い方が好きです。とくに「はくしき」が何か胸にもやっとくるような不思議な気持ちになりましたとても好きです😢✨これからも応援してます。 (5月29日 21時) (レス) id: b1c4d4a663 (このIDを非表示/違反報告)
紗枝(プロフ) - 大神さん» こんばんわ。通知に紛れてしまい、反応が遅くなってしまいました。申し訳御座いません。お優しい言葉、言葉にならないくらい嬉しいです😊 これからも見守って下さると嬉しいです🥰🥰 (5月21日 22時) (レス) id: ed8861063f (このIDを非表示/違反報告)
大神(プロフ) - zmさんの小説を読んでから全ての作品を読ませて頂きました。どの作品も心に刺さりましたが、この短編集が特に好きです。こんなに自分好みの小説を書かれる方に初めて出会い、言葉にならないくらい好きです。これから応援しております。 (5月20日 12時) (レス) @page37 id: 48f5acd833 (このIDを非表示/違反報告)
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